男前なんかじゃない!!2
093.生徒会補佐。bQ
しかし、ここでぼくの心の声を読んでいるカイリくんが…。
「宗次郎、お前だって中と外は違って苦労したのに、だからって須王は自分と違うなんて思ってんじゃないよな」
「う゛ぅぅー、確かにぼくはそれで苦労して………。でも、でもー」
ぼく絶対北瀬くんがいるだけで、ビビッて何もできなくなるよ〜〜〜!!←宗次郎、半泣き。
がっくり項垂れるぼくに、さすがにカイリくんは盛大なため息をついて、あることを提案する。
「わかった。宗次郎の性格から、中と外を知ってもビビるのは想像通りだ。北瀬の不良外見はオレで対策を立てて置く」
「どうするの?」
生半端では、ぼくのビビりが解決できないだろうと思って、カイリくんに訊ねるが、カイリくんはニヤリと笑い「当日までのお楽しみ♪」と、いつもより弾んだ声で意地の悪い笑みを浮かべていた。
当日ってことは、新規生徒会のお披露目…全校集会ってことか………。
カイリくんが、どんなことをするのかと心配になるけど………須王くん、がんばって〜〜〜!!って、思うのは、なぜなんだろう?
「一乗寺、北瀬君のことで一つ質問ですが、彼はどのくらい使えますか?」
この質問をしたのはスイちゃん。でも、質問の意味はわからない。
だって、北瀬くんは今の生徒会には、いなくてはならない人物だというくらい、お仕事を頑張っていた。
それは、ぼくだけではなく四ツ谷学園の生徒であれば誰でも知っていることなのに、スイちゃん、どういうこと?
スイちゃんの質問にぼく1人だけがわからず首を傾げているけど、カイリくんにはこの質問を十分理解し、返答もスラスラ。
「使えるかって?葉山がそんなこと聞くとは思わなかったが、オレが目を付けただけあって、十分使える。来年度、生徒会会長に立候補にしてもらわないとならないしな…」
「えぇぇぇーーー!!」
「はやり、そんな考えでしたか」
ぼくは驚きのあまり悲鳴じみた声をあげるけど、スイちゃんなんでそんなに冷静なんだよー!!
カイリくんが、北瀬くんを生徒会長候補に育てる宣言しているんだよ!!てっことは………もしかして、もしかしなくても!
「だから、宗次郎、北瀬は補佐といっても会長補佐だからよろしく」
「………(やっぱり…)」
うぇ〜〜〜ん!!だから、ぼく北瀬くんの中身は嫌いではないけど、外見が怖いんだって言っているのに〜〜〜!!
スイちゃんは、その後、慰めにもならない言葉で「一乗寺が何とかすると言っていますし…」って、言って明後日を向いてい話してけど、全く、フォローになってない!
「そんじゃ、まぁ、生徒会会長補佐はいいとして、もう1人くらい補佐がいないと生徒会運営は厳しいな…」
カイリくんのこの言葉に、ぼくもスイちゃんも頷く。
けど、ぼくにはもう1人補佐に入れたい人がいた。
この人を入れることにより、生徒会…更には四ツ谷学園に波紋が生まれるかもしれない。
それでも、これを乗り越えられたら彼もぼく等四ツ谷学園生徒もきっとよりよい学園になれると信じているから…。
「もう1人の補佐なら、ぼくから推薦したい人がいる―――」
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