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男前なんかじゃない!!2
084.昼食タイム。

 競技は恙なく進行してゆく………。

 それとともに最終種目のリレーも近づいてくる訳で………。

 青組は、変わりゆくぼくの表情に次々に声を掛けてくるけど、右の耳から左の耳にスルー状態になっていた。

 ちなみに、寛治くんのせいで異常にみんな足が速くなっていることが判明。何気にそれもプレッシャーになるけど、原因は以下のとおりだ…。



「結城のリレー練習風景を、みんなでよく覗きに行っていましたから…」

「えっ?スイちゃん、それってみんなぼくの足の遅さに呆れていたって話し?」

 スイちゃんの言葉にぼくは泣きそうになる。

 しかし、それは違ったらしく、スイちゃんはクスリッと笑い、首を横に振る。

「違います。結城の頑張りを見て自分達も頑張ろうって、思ったらしいですよ。そして、寛治君の指導法をこっそり盗み聞き………ではなく、聞いていたらしく、それを元にみんな練習していたら、向上することができたと言う訳です」

 なるほどーって、つい納得しそうになるけど、これでは、ぼくの足が人並みになったと喜んでも、みんなが速くなっていたら、意味ないじゃん!!

 嬉しさ半減で曖昧に笑ってしまったけど、ぼくの微妙な表情にスイちゃんが頭を撫でで慰めてくれました。



 で、それはいいとして!今は午後の競技が終わり、昼食を食べていたりする。

 ぼくは緊張をほぐすため………と言いつつ、大量に弁当を作って来たので、青組の仲間と食べています。

 いや、箸は持っているけど、まったく食べられる状況じゃなかったりする。

「結城、箸が止まっていますよ」

「ひゃ、ひゃい!!」

 あっ!もう緊張しているのが丸わかりな返事をスイちゃんに返してしまった!

 今この場には、ぼくの緊張をほぐそうと青組の仲間が周りを固めている。そして、なぜか真弓先輩がぼくの側にいる。

「ソウ、『ひゃい』はないだろ『ひゃい』は!」

 そう言って、真弓先輩は笑いを隠そうともせず、わっはははっと声を立てて笑うと、青組のみんなもつられたように笑う。

 どこか、ぼくにつられていみんな固い表情をしていたから、その姿に何だがぼくもおかしくなって、そのまま、自分のことなのに一緒に笑ってしまった。



 その後は、何だかリラックスできて思ったより、食事をとることができた。

 ぼくの大量のお弁当は5段の重箱で、とてもではないがぼくとスイちゃんと真弓先輩が食べても多いくらいだった。

 なので、みんなにも摘まむくらのおかずを御裾分けしていたら、褒められちゃって………それで、ぼくは嬉しさのあまりハイテンション!!

 食後のデザートも大量に作ってしまったのをみんなで食べて(←いったい宗次郎は何をそんなに大量に作ったのか?)、寛治くんに今一度走る基礎を教えてもらいリレーに備える。



 ここで、午前分の競技結果を………。

 1位…青組、結城宗次郎団長。236点

 2位…黄組、一乗寺カイリ団長。220点

 3位…赤組、仲谷光輝団長。186点。



 ぼくの青組とカイリくんの黄組は接戦だが、なぜか仲谷くんの赤組は不調だ。

 というか、競技1種目にビリになった人を仲谷くんが激怒し、赤組陣地内で罵倒を浴びせたとか…。

 そのため、赤組の士気は低下。個人種目の競技はまだ良いが、団体種目になると動きがぎこちなくなり、最下位を取りまくっている。

 真弓先輩曰く、競技は真面目に取り組もうと頑張っているが、ちょっとしたことでも仲谷くんに罵倒を浴びせられるため、緊張が生半端ではないこと。

 どうやら、頑張れば頑張るほど、空回りしてしまう状況になっているらしい。


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あきゅろす。
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