うさぎの初恋
◆42.うさぎと親衛隊。
そのあと、うさぎと草間が家庭科室に訪れた。
パッパァーーーン!!
「「「うさぎ君、いらっしゃーい♪」」」
クラッカー音とたくさんの拍手………家庭科室のお披露目のはずが、何か違うものに変化しているような気がする。
うさぎの隣にいた草間は、この状況にさすがに頬を引きつらせて、「お、おめでとう、ご、ございます」と、よくわからない挨拶をしていた。
もちろんうさぎは、「朱里、朱里!!すごいね!!ウサギ柄だよ!!壁紙のウサギの達がぼくを歓迎してるよ〜!!」と、大興奮で家庭科室を走り回る。
親衛隊とうさぎの関係は良好。
「どうやら、これでうさぎと親衛隊の問題は解決したと考えていいようですね」
草間がそう苦笑いしながら俺と長耳に話しかけて来たので、こちらも同様に苦笑いしながら、今回の出来事を思い出していた。
改めて思い出してみると………やはりまともに親衛隊とは付き合いたくない、が、チラリッとうさぎを見れば、うさぎは親衛隊が作った料理を親衛隊とともに大興奮でおしゃべりしながら試食中。
変態同好会やら部の親衛隊なので、あまり係りたくないと思っていたが、うさぎが楽しそうにしているなら、俺も一緒にこれからも付き合わないといけないのだろうな。
「草間、お前もうさぎといるなら一蓮托生だ。変態同好会やら部の親衛隊と仲良くしろよ。もちろん、長耳お前もだ!」
「う゛ぅぅー」
俺の言葉に世話好きが得な草間も素でイヤ〜な顔をして、長耳は俺のこの命令に本気で悩んでいるようだ。
まぁ、俺のホンネとしては出来れば近寄りたくないのだけど…今後のことを考えると、それは難しく。
「「「はぁー」」」
俺&長耳&草間でタイミングよく同時にため息をついてしまう。
その後は、何となく目線で慰め合っていて、親衛隊の料理に手を付けたりしていたが、ここでお約束のようにうさぎの「ぎゃあぁあああぁぁぁ!!」という悲鳴が、家庭科室に木霊する。
はっきり言って俺と長耳は原因がわかってしまうので、そちらに目を向ける。
1人草間だけは知らないので、うさぎの側に駆け寄ろうとするが………草間もさすがに足を止めている。
またまた懲りずにいる、演劇同好会&副会長親衛隊隊長と副隊長。
2人だけのキ○ッツ衣装にネコデコのウエディングケーキ。
うさぎは涙目でガタガタ震えているけど、予想はついていたので皆無言を通す。
「一応止めたんだけどね」
長耳は小声でそう呟くが、明らかに自分の親衛隊と係りたくないため、強く言ってはいないのだろう。
まぁ、俺も係りたくなくて無視していたので、同罪だが…。
あとは、まぁ、お約束のようにうさぎが暴れて、家庭科室が…半壊とまでいかなくても被害額増大。
俺達生徒会、うさぎ、草間、生徒会親衛隊の罰則が延長されたのは言うまでもない。
第2羽『うさぎと親衛隊』 END
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