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うさぎの初恋
◆35.ネコとマリー○ントワネット。

 うさぎをうしろから抱きしめながら、一応、英修生徒の責任者…もとい、生徒会長という立場から、長耳VS長耳親衛隊&演劇同好会の様子を眺めている。

 うさぎが先ほど小麦粉を手づかみで、長耳の親衛隊に投げようとしたおかげで、尚更、粉っぽい視界になった気がする。

 だが、そんなことはこの際どうでもよくて、うさぎをうしろから抱きしめ、抱き心地はサイコーだ!とか、うさぎからは甘い香りがするなーなどと、楽しんでいた。

 だが、それも、先ほど振り切ってきたはずの長耳親衛隊&演劇同好会副会長+隊員達の存在で傍観してばかりではいられなくなる。

 とりあえず、何事もない様に祈りながら、長耳の方に視線&耳をダンボ状態にする。



 増殖した長耳親衛隊&演劇同好会に長耳は………全く、動揺などみせず、無表情を保ったまま不機嫌であるのをあらわしている。←無駄に笑みを見せると喜ばれるので、不機嫌中。

 俺としては、『これ以上長耳の機嫌を悪くしないでくれ!これの事後処理をする時、壮絶に機嫌の悪い長耳を相手にしなければならないのは、俺だぞ!!』と、長耳の親衛隊の訴えるような視線を向けるが…。

 奴等(長耳親衛隊&演劇同好会)は、何を考えているのか、長耳の顔を見ながらうっとりした表情していた。←長耳の表情は何でもいいらしい。

 こいつ等マゾの集まりが?いや、長耳の親衛隊長は完璧なS属性だ!?

 何やら思考が変な方向に向きかけているが、長耳親衛隊副隊長がいち早く我に返り、またしても、小芝居を始めてしまい、うんざりとした気分にさせられる。



「隊長ぉ〜、無事ですか!?今、ワタクシが助けてさしあげますわぁ〜!」

「「「おぉー、マリー○ントワネット様ぁーーー!!可憐にて勇敢なお姿、感銘いたしますぅー!!」」」

「「「ニャー!ニャー!!」」」」

 長耳親衛隊副隊長のオカマ台詞に、やんややんやと騒ぎ立てる平隊員達。

 ちぐはぐな姿の宝塚風の平隊員+ネコ姿の平隊員の図…ここに観客がいたのなら、劇の題名はなにか?と聞きたくなるだろう。

 一応、ちらりっと長耳を見て…うん、もはや何も言うまい。

 ついで、こちらはある種の長耳溺愛を主張している長耳親衛隊長を見れば、目をキラキラ輝かせ副隊長の台詞にノリノリで答える。

「良く来たニャー!とりあえず、ここは撤退するニャー!副隊長は、長耳サマの足止めをお願いするニャーーー!!」

「了解ですわぁ!好野隊長!」

 うーん、ネコとマリー○ントワネット、なんとなくシュールな図だな。


[*の後退]の前進*]

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