うさぎの初恋
◇02.うさぎと誕生日と雛祭り bQ◆
◇◆【兎三山朱里(とみやま しゅり)の場合】◆◇
3月3日、それは俺が最大級に愛する人の生まれた日…。
それに合わせ、色々なものを用意してみる。
うさぎパジャマ、うさぎのぬいぐるみ、うさぎの歯ブラシにうさぎのマグカップ…何気にこれを使っているうさぎを想像してみると………はっ!
危ない思考にいくとこであって、思わず頭を振る。
マズイ…想像以上のナニしている姿まで考えてしまった。
しかし、ここで揃えた数々の品になぜか物足りなさを感じて、数日前にこんなことを考えていた。
◇◆◇◆◇
数日前、私立英修学校、某所。
「やはり気が早いが、指輪も用意しておいたほうがいいか?」
うさぎに似合いそうな宝石(いし)はどれがいいか?など、カタログ片手に調べていたら、なぜか全力で長耳に止められた。
理由としては、「うさぎ君に朱里の恋心が届いてからのほうが絶対いいと思うよ!」と、強く言われたからだが、きっと本心では、うさぎに指輪を渡しても瞬時に忘れ去られ、失くされると思ったからだろう。
………俺自身、そう思っていたのだから、長耳もそうに違いない。
しかも、丁度良くその場にいた、うさぎの親友である草間には、かなり同情的な視線を向けられていたような気がする。
◇◆◇◆◇
うさぎの誕生日会場は、兎三山家所有のウサギパーク。
それこそ、うさぎの好きなウサギはどの種類も豊富にいるが、雄雌の区別はしっかりしている。
雄雌一緒にさせると、さすがにネズミ算で増えるからな。
一応、去勢や避妊手術を受けさせようと思ったが、うさぎが仔ウサギも見たいみたいなことを言いだして、いまだそれもできずにいる。
で、会場はいいとして、プレゼントも、まぁ、実用的なものが一番喜ばれるから少し不満があるがこれでいいっと………。
♪♪♪〜
うさぎの誕生会のチェックをしていると、ケータイが鳴る。
「長耳?」
表示されている名前は、長耳。
明後日のうさぎの誕生日を控え、俺が忙しいのを長耳は知っているはずで、この頃はケータイでの連絡もメールのみとなっていたはずだ。
不審がりながらも、ケータイをとればそれは、嬉しい内容で…。
これで、うさぎの喜ぶ顔が見られる!
[*の後退][の前進*]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!