恋文〜君に贈る言葉〜 すれ違い SIDE 龍司 俺はあのうるさい奴を撒いて、今ユウを探している。やっぱりどうしてももう一度話し合おうと思ったからだ。本当は昨日ユウのところに行くつもりだったが、あいつ…幸がいきなり泊めてくれと押しかけてきた。断ったがどうしてもと言ってきかない。このままではユウに会えなくなると思い俺は幸を部屋に通した。そしてあいつはセックスを誘ってきた。だが、俺にはユウしかなく断り、俺はイライラを納まらせるために風呂に入った。その後、俺はこうやってユウを探していた。 「ユウ…どこに行ったんだよ・・・。」 ユウの家、行きそうな場所、二人でよく行ったファミレス、ゲーセン色々なとこを探しまわったがユウは居なかった。その時だった。一通のメールが来たことで俺とユウがこんなにも離れてしまうだなんて…その時は思いもよらなかった。 宛先:氷室 件名: 本文:お前の姫は預かった。Dragonまで来い。神谷 「神谷?なんであいつが…。」 俺は急いで『Dragon』に向かった。 「いらっしゃ…龍司。」 姉貴が俺を呼んだ途端、空気が暗くなった感じがした。 「龍司…」 宗吾が俺に近づき、 「奥に行け。待ってるぞ、奴が。」 そう言うと、宗吾はカウンターに座った。 宗吾の言葉を聞いた俺は奥の部屋に行き、ドアを開けた。 「ユウ!!」 ソファにユウが座っていた。俺はユウに駆け寄り、 「ユウ…ユウ!!」 俺はユウを抱きしめた。久しぶりのユウの感触に酔いしれたのだが、 「ユウ?」 ユウが何も反応していないのだ。俺はユウの顔をよく見ると、 「お前…どうしたんだよその痣!!」 ユウの顔には殴られたような痣が出来ていた。 「Dokuroのやつにやられたんだよ。」 「神谷。」 後ろから神谷がそう言った。 「ちなみに犯されそうにもなってた。まあ入れられてはないけどな。じゃあ、俺はここで。」 「あぁ…」 神谷が部屋を出ていったのを見送った後 「ユウ…。」 俺は自分の無力さに絶望した。俺はユウを守ることが出来なかった、ユウをひどい目にあわせてしまった…。拳を強く握り俺は俯いた。だが今はユウと話すことが先決だ。拳を緩め、俺はユウの頬に手を伸ばした…だが、 パシン ユウは俺の手を叩き落した。俺は一瞬フリーズしたがユウの顔を見た途端、俺は目を見開いた。ユウの目からは大粒の涙が流れていたのだ。 「りゅ、龍司さん…」 「ユウ…俺が悪かった。お前を守れなくて…だから泣き止め。」 俺はユウの涙を指ですくい上げる。ユウは意を決したような顔をして 「龍司さん。」 「なんだ?」 「…別れてください。」 ユウの口からは信じられない言葉が出てきた。 「なっ…なんでだよ!?」 俺はユウの肩を掴んだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |