恋文〜君に贈る言葉〜 光 SIDE 覇琉 今日俺はセフレを連れてデートしていた。昨日、勃たなかったから代わりにデートしようだって。ふん、自分のこと恋人だと思い込んで…哀れな奴。 『先輩』 ドキン ちっ、なんで立花のこと思い出すんだよ。昨日から変だ。昨日から頭の中は立花だらけだ。 頭から必死に立花を追い出そうとし、俯いていた顔を上げる。 「・・・あいつ…。」 目の前に立花の後ろ姿が見えた。ふらふら歩いてて危なっかしい。 「どうしたの?覇琉?」 セフレの女が腕をからませてきた。うっとうしかったが、 「あぁ…なんでもない。」 視線を立花から離した。俺には関係ないことだ。あいつは、氷室の… セフレとレストランに入る時、もう一度立花を見ると 「・・・っ!!」 立花は人相の悪い奴らに絡まれていた。あいつら『Dokuro』の奴らじゃねえか!! 立花はそのうちの一人に引っ張られてどっかに連れて行かれた。俺はセフレをその場に残して走り出した。後ろでセフレの叫ぶ声が聞こえたが、そんなの気にしないほど俺は立花のもとに向かっていた。何故かあいつが…立花が壊れてしまいそうな気がしたから。 路地裏を探していると、数人の男がいた。やっと見つけたと思い、立花を見ると、ほぼ裸の状態で組み敷かれ、泣いていた。そんな光景を見た俺は頭の中のなにかが切れた。奴らをぼこぼこに、全員意識を失くすほど殴ってしまった。そして立花に近づき、安否を確かめる。どうやら最後までヤられていないようだなと思い、ホッとした。泣きながらふるふると震える立花を優しく抱きしめてやった。他人をこんな風に優しく抱きしめるなんて初めてだ。そう思うと何故か心臓がバクバクとうるさかった。そしていつの間にか立花は意識を無くしていた。 仕方がなく俺の上着を立花に着せてやり、背負って俺の家に向かう。こいつ柔らかいなとか小さいなとか思っていたら、その間も俺の心臓はバクバク。結局その状態のまま俺の家に連れてきた。それにしても… 「氷室…あいつなにやってるんだ?」 お前の恋人がこんな目にあってるっていうのに・・・俺は初めて氷室に不満を抱いた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |