恋文〜君に贈る言葉〜 お姉さんの心配事 SIDE 麗子 「大丈夫かしら…。」 私は昨日の龍司を思い、ユウちゃんを心配した。 ―――昨日 チャリンチャリン 「いらっしゃ…なんだ、あんたか。」 「うっせぇ。」 客が来たと思ったら、その客は我が弟。 「ちょっと、あんた…」 龍司の隣を見ると、可愛い男の子がいた。 「誰よ。この子。」 「姉貴には関係ねえだろ。」 龍司はそう言って、奥の席にその子と座った。その子は顔を赤らめて俯いていた。 「僕…氷室さんが好きです。付き合って下さい。」 「断る。」 なるほどね〜、しつこかったからここに連れてきたってわけ? まあ龍司には可愛いユウちゃんがいるしね。 「あの・・・僕、見たんです。立花くんが神谷先輩に言い寄っているのを。」 「はぁ?」 そんなのでたらめに決まっているでしょ。あぁ、バカバカしいわね。 「ふん、でたらめ言うな。ユウがそんなことするわけねえ。」 「そうですか…信じてもらえなくて残念です。それでは。」 男の子はそう言って、店から出て行った。その後、龍司は思いつめた顔をしていたのを私は不安な気持ちで見ていた。 だけど、今日のユウちゃんを見て安心したわ。ユウちゃんがそんなことするわけがないって思った。だけど…龍司は今日休んだらしい。まあ、あいつのことだから頭冷やしてからユウちゃんに会おうって思ってる。はぁ、でもなんか嫌な予感はするわ。龍司、ユウちゃん、気をつけて… [*前へ][次へ#] [戻る] |