[通常モード] [URL送信]

恋文〜君に贈る言葉〜
気持ち

****************

SIDE 優斗

(どうしよう…言うべきなのかな。)

僕は今非常に悩んでいる。

何故か…

それはさっきチワワ達に恋人宣言した僕の手を繋いでいる最強最悪の不良の長、氷室龍司。

まあ、それも問うべきなんだろうけど…

ボタボタ

「・・・。」

この人は気付いていないのだろうか。恋人宣言した時から鼻から血を出しているのを…。

あぁ〜言ったほうがいいのかな?でも言って怒られたりしないのかな。でも逆に言わなかったら怒るかも…
僕はひとり心の中で葛藤していた。

「ユウ…。」
「っ、ふぁい!!」

ふいに呼ばれたので返事をすると

「俺がお前の彼氏だ。中山じゃない。そうだろう?」

真剣な顔で聞いてきた。普通なら怖いんだけど、その時は自然とその気持ちにはならなかった。

「はい…。」

とりあえず和臣は友達なので否定しておいた。

「そっか。」

氷室さんは優しく微笑んで僕の頭を撫でた。
僕はそれで恐怖心がなくなったのか、ハンカチを差し出した。

「?」
「鼻血…出てます。」

・・・・。

沈黙が走った。や、やっぱり言わなかったほうがよかったのかな。
ちらっと彼を見るとそこには顔を真っ赤に染める氷室さんがいた。
僕がびっくりしていると、

「見るな。」
「は、はい!!」

氷室さんは僕のハンカチで鼻の血を拭った後、僕の手をぎゅっと握ってきた。

「ひ、氷室さん…」
「ん?」

僕は赤くなった顔を隠すようにしながら話した。

「い、いいんですか?あ、あんなこと言っちゃって…。」
「あんなこと?」
「ほ、ほら!!あ、あの…可愛い子たちに僕のこと、こっこここ恋人だって…。」

僕はどもりながら尋ねると氷室さんは、

「それがなんだ?本当のことだろ?」

とあっさりと言いのけた。

「い、いや…本当のことって言っても僕はそこらへんにいるような平凡だし、ひ、氷室さんだって僕なんかより可愛い女の子とのほうがいいに決まって…。」
「ユウ。」

氷室さんは僕の手にさらにもう一方の手を重ねて、僕の顔を見つめた。氷室さんの整いすぎた顔に見つめられ、何故か目をそらせなかった。

「ユウ。お前は可愛いし、優しいし、純粋だし、天然で思わず守ってやりたくなる。俺はそう思っている。だから…そんなこと言うな。」

ドキン

あ、あれ…?

ドキン

どうしたの?

ドキン

心臓が

ドキン

うるさいよ…

「ユウ。俺はお前が愛おしくてたまらない。」
「っ…!!」

ドキン

収まってよ

ドキン

苦しい

こんな気持ち知らない…知りたくない…

[*前へ][次へ#]

10/32ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!