2000キリリク霧の狂い姫様へ
ドタドタドタと騒々しい足音を立て、ベルは屋敷内を走り回っていた。
足音を立てるなど暗殺者にはあるまじき行為だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「どこ行きやがったあのガキ……!」
あのガキ、基フラン。最近ヴァリアー入りした霧の守護者でマーモンの後任の幻術士である。
ヴァリアー幹部入りするのだから実力は確かなのだが、注目すべきはその年齢だった。
フランは確かに若い。が、フランは若いというより“幼い”と言った方が正しかった。
何故なら。
「おいカエル!!」
「あー。みつかっちゃいましたかー」間延びした声で返事をした翡翠色の髪の少年──というか子どもは、どう見ても6〜7歳程度であった。
「うろちょろすんなクソガキ」
ベルは大股でフランに歩み寄ると首筋を掴んで持ち上げた。
余談だが、フラン用の隊服はかなり大きめ(それでも特注)なので一度見つけてしまえば捕まえやすいのである。
しかし、不安定な状態でぶらさげられもフランは悪態をついた。
「ミーはベルセンパイのこときらいですー。うざいしー、さいあくですしー」
だおーじですしー、と続けたフランに、ベルは引き吊った笑みでナイフを取り出した。
「何このチビ。超殺してー」
「殺れるもんならやってみろー」
頬を膨らませて不平をいうフランの台詞は物騒極まりなかった。
短気なベルがナイフを投げつけるまで後3秒。
もちろんフランが幻術で逃走するのも3秒後。
*霧の子と嵐の王子
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遅くなりましたがキリリクありがとうございます。
26ベル×6くらいフランとのことでしたが、はたしてこのフランは本当に6歳なんでしょうか。こんな物騒な子が居たら困りますが、ベルがヴァリアー入隊した年齢を考えると妥当……ですか?(聞くな)
ていうかそもそもオチはどこ……?
とりま、これからも蝶々の夢を魅るを宜しくお願いします_(._.)_
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