888キリリクゆづ様へ
突然後ろから締め付けられた。
犯人はもちろん言わずもがなセンパイだ。
フランが呆れ顔で首を捻ると、抱き着いたままのベルは口を尖らせた。
「なーフラン」
「何ですかー」
「暇だからポッキーゲームしよーぜ」
「死ね堕王子。女とでもやってろよ」
瞬速で暴言を吐けば、ベルは舌打ちした。
センパイの暇潰しに付き合わされてはたまらない。
しかしベルは相変わらず引っ付いたまま、ニィと笑った。
「何?フランはオレが他の女のトコ行っても良いんだ」
「あー、オッケーです全っ然オッケーですー。ていうかー、是非逝っちゃって下さい」
「……テメェな」
センパイが数本ナイフを刺してきたが、結果はいつもの如く。
フランはじと目で後ろを睨んだ。
「そもそも何でセンパイはミーの所に来るんですかー?暇ならいつもみたいに地元の殺し屋狩りしてれば良いじゃないですかー」
「だって全員殺っちゃったもん」
「良い歳してもんとか言わないで下さい。キモチワルイんで」
暗殺者に背中を取られているというのに、フランが動かないのは逃げ切る自信があるからだ。
すると、ベルが急に退いた。
何なんだと思った瞬間、刺すような殺気。
咄嗟に振り向いてしまった瞬間、何かを口に突っ込まれる。
「……あにすんでうかー」
「ぷ、言えてねぇし」
「だまれだおーじ」
目だけ動かせば、スティック状の菓子。
ポッキーゲームをするとか何とか言って、本当に持っていたらしい。
「本当にポッキー用意してたんですかー?阿呆臭ー」
「違ーよ。ソレ、ポッキーじゃねぇし。フランだし」
「……は?」
「フランだけにフランでポッキーゲ「やっぱ死ね」
呆れ果てたフランがリングに火を灯すまで、残り1秒。
*いつも君が大好き!
ベルは菓子のフランを頬張りながらカエルのフランが消えた方を見つめ、内心弁解した。
長期任務でフランに暫く会えなかったせいだ。
だから帰り際に“フラン”の名を見てウッカリ買っちゃっただけだし。
(まぁ、悪戯はフランを見ていたら思いついたんだけどな)
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ギャグ甘との指定でしたので、思いっきりありふれたネタで。
すいません、いろはのギャグはこれが限界でした……
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