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短編
【12】

砂浜に着くと急いで自分のTシャツを渡す蓮に首を傾げながらも水着の上から渡されたTシャツを着た。

蓮のTシャツは見た目よりも大きくて、いくら年下でかわいく見えてもやっぱり男なんだと感じさせられた。

(こんなんでドキドキするなんて・・・中学生みたい・・・)

少し赤くなった頬を見られないように蓮の前を歩いて智代たちがいるパラソルに辿り着くと、もうバーベキューの準備ができていて3人とも飲み始めていた。







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「なんかさ、場所が変わってもすること変わんないよね。結局飲む!みたいな。」

ビニール袋にどんどん溜まっていく空き缶の山を見ながら智代が笑った。

「しかもどんだけ持ってきたのって感じ・・・」

春香ももう何本目かわからない缶ビールを開けて言った。

3つ持ってきたクーラーボックスの中身はほとんどビールや酎ハイといった酒だった。

バーベキューの肉や野菜は酒の隙間に申し訳なさそうに押し込まれていて、すでにほとんど食べ尽くされている。

「でもこういうとこで時間気にしないでのんびり飲むのもよくね?」

和哉の言葉に頷く20代後半組。

だが、20代前半組は物足りないようで、パラソルの下に置かれた袋の中から花火を物色している。



「まだちょっと早くない?」

あたりは多少薄暗くはなってきたものの、まだ明るい。

「いいの、いいの。こういうのは雰囲気だから」

お酒のせいか、いつもと違う場所だからなのか、いつもよりテンションの高い修が打ち上げ花火を手にはしゃいでいる。


「修!早く持って来いって!」

蓮も缶ビール片手に修を手招きして呼ぶ。

駆け寄っていき2人で火をつけて盛り上がっている姿を見ながら春香はパラソルの下に座った。

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