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短編
【9】

言ってて自分で泣きそうになった。







さすがにそんな姿は見せられなくて、俯いた俺に、間抜けな声が届く。








「・・・は?誰が?」








誰がって・・・そんなの俺に言わせるなよ。








「唯・・・が。」








言いながら顔を上げると、本気で驚いてるような唯の顔。








「あたしが??誰と?」








「そんなの知らねーよ!俺が聞きたい。」








「何キレてんの?あたしそんなこと言った?」








「言っただろ。今日・・・あれ?」








「“今日予定がある”とは言ったけど、デートなんて言ってないと思う。」








「・・・・・・・」








確かに。








「・・・じゃあその“予定”・・・は?」








「うん、終わった。だから来たの。」








そう言って、唯は嬉しそうにバッグから、ピンクの包装紙に茶色のリボンでラッピングされた箱を取り出した。







「はい、これ。」








「俺に?」






そう問いかけると、コクン、と俺の大好きな笑顔で頷いた。


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