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短編
【8】


唯に促されるまま、部屋着のスエットの上に、その辺にあったコートを羽織ってサンダルというだらしない恰好で近くの並木道を歩いた。






「ここ、毎年桜超キレイだよね。来月また来ようかな。」







そんな嬉しいことを言いながら、前を歩く唯は白いコートで髪もいつもより念入りに巻かれてる気がする。







やっぱり男といたんだろうか。








「・・・なぁ・・・」








俺の呼びかけに、「ん?」って振り向いた笑顔に、またなんて言っていいかわからなくなる。








大学で会うよりも明らかにオシャレしてるって感じのワンピースとメイクが眩しくて。







俺のために、そうしてくれたらって、願わずにはいられない。








「あ、潤用事は?」







「え・・・?」








「今日予定あったんじゃないの?」








「・・・あー・・・別に・・・」








それが嘘だっていうのを、知ってか知らずか、何食わぬ顔で聞いてくる唯に、また少しモヤモヤする。








「お前は?」








「あたし?」








「・・・デートだったんじゃねーの?」

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あきゅろす。
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