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短編
【8】

7月の晴天の土曜日、海岸の駐車場はどこも混んでいた。

しばらく並んでようやく止めると、男たちは荷物を降ろし、女性陣は場所取りのために駆け出して行った。

「そういえばさ、春香ちゃんの水着ってどうなったの?」

思い出したように聞く和哉の言葉に修が答えた。

「結局智代さんと2人で買いに行ったらしいっすよ。今日見るのを楽しみにする、とか言って。」

「あ〜、智代もこの前買ったとか言ってたからじゃあそのとき一緒に買ったんだ?」

「どんなんなんすかね〜?」

修が少し上を向いて呟いた。

「修!想像すんなよ!?」

そんな修に気づいた蓮が睨んだ。

「・・・すっげぇエロいの想像してやる」

「!!やーめーろーーーー!!」

「超小せぇビキニに・・・「殺すっっっ!!」


ギャーギャー・・・・




「お前ら働けっっ!!」


和哉の一言に、やっと2人は大人しくパラソルやバーベキューセットを運び始めたのだった。



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そのころ女性陣はーーーーーー


「あ、あの子カワイイ♪」

智代はそう言うとサングラスを外して、砂浜ではしゃぐ若者の集団に熱い視線を送っていた。

「カワイイって・・・あんなにぐっさんとラブラブだったのに・・・」

「それはそれ。これはこれよ。・・・あ、あの腹筋見て。いいじゃーん」

春香はそんな智代の隣で帽子を脱いであおぎ始めた。

(帽子って日焼け防止にはなるけど、蒸れるんだよね)

パタパタと帽子であおぎながら周りを見渡していると、遠くから蓮たちが荷物を抱えて歩いているのが見えた。

重そうに歩いている3人に向かって手伝おうと立ち上がったときだった。

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あきゅろす。
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