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『仁王君と一日目の夜』番外編
浴室は、甘い匂いで満ちていた。
多分このお湯の匂いと、ボディソープやシャンプーの匂いが混ざっているのだろう。
クラクラするくらい、女の子の匂い。
そして、名前の匂い――
湯舟に浸かっている時も、洗っている時も、名前のことを考えてしまう。
それはきっと、この香りのせいじゃ。
早く触れたい――
風呂から出たら、どう口説こうか。
素直に触らせてもらえるだろうか。
――だがそんな考えは不要じゃった。
(…寝てる)
これは好都合。
というか、こんな無防備な姿、我慢する方が、無理、じゃ。
お姫様を抱っこして、一緒にベッドへダイブした。
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