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仁王連載
仁王君と大晦日A
「もー!なんでCMのタイミング被ってるんだろねぇ」

お笑い番組で笑い転げながら、CMになったらすかさず他局の気になる番組に替える、ということをしていた。

だがなぜだかいつも、こっちがCMだとあっちもCM、という具合で、もどかしい気持ちになる。

そして仕方なく紅白にする訳だ。

「あ!ちょうど見たかった人だ〜!やったぁ」

紅白は、私が好きな人やグループがあんまり出ないから、見ない。
中学生くらいまでは、大晦日は紅白!って感じで家族で見てたけど…

でもやっぱり好きなアーティストは見たいから、結局見ちゃう。

「名前の百面相はいつ見ても面白いのう」

そう雅治は笑ってくれる。けど、これってよく考えると、すごいことだなぁと思う。
だってこんなわがままにチャンネル替えられるのに怒らないで、私にリモコンを委ねてくれてる。

それなのに…子供っぽいなぁ、私。
自分の行動を思い返して、少し恥ずかしくなる。

でもこんな私に付き合ってくれる雅治が、大好きだ。

あ、そろそろCMあける頃かもしれない。
チャンネルを戻す。
すると3秒後くらいに、番組が再開した。

「わぁピッタリ!なんか慣れてきたぁ」

CMあけのコツを悟ったかもしれない。

そんなことを言ったら、また雅治に笑われてしまった。


**

「おそばだよー!」

22時頃、年越しそばを作った。

自分で年越しそばを作るのは初めてだ。
ひとり暮らしで料理の腕は少しは上がった。でも、お母さんの味に追い付けるのは、まだまだかな。

それでも雅治は美味しいって食べてくれた。

おそばを食べ終えて、また私達はくっついて、テレビを楽しんだ。

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あきゅろす。
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