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仁王連載
仁王君と大掃除C
「終わったよー!」

終わった!すべて終わった!綺麗になった、私のお家!

「頑張ったのぅ」

ソファに座っている仁王君が、両手を広げている。

私は誘われるように、その腕の中に飛び込んでいった。

「まさはる〜っ」


ぎゅうっ


あー…なんか…しあわせ。
大掃除が終わって、まさはるにぎゅってされて、頭よしよしされて……

うぅー眠くなってきたぁ…


「のぅ…」

「ん?」

本格的に眠りに落ちていきそうだったその時だった。
仁王君の問い掛けに、顔を上げる。抱き着いていたため、顔の距離が近くなってしまった。
だが半分寝ているみたいな私は、恥ずかしさをあまり感じなくて、じっと仁王君を見つめていた。


「ぷっ…名前、眠いん?」

「うん…眠くないよぉ」


どっちじゃ、と笑う仁王君。

仁王君と一緒にいるのに、眠い、なんて言ったら失礼だと思って、咄嗟に否定する。

「なぁに?まさはる」

会話を促す。

「…名前。それ、わざとか?」


ん?

わざと?


………なにが?


「俺んこと仁王君て呼んだり、雅治って呼んだり」



……



「え!?」


一気に眠気が覚めた。
え、ええええっ


「私雅治なんて呼んでないよぉ!」

「なんじゃ、無意識か?」


……そう言われれば、呼んでたかもしれない…
うわぁどうしようっ…はずかしいぃ……


「顔真っ赤」

と言って仁王君は私の鼻をつまむ。

「うぅー」


「雅治って呼んで、って前言ったじゃろ?仁王君と呼ばれると悲しいナリ。それに……」



−その分「まさはる」って呼ばれた時、余計ドキドキしてしまうぜよ−




私はそれから急いで仁王君から飛びのいて、「お、お夕飯買いに行かなきゃ!」と必死で話題を逸らすのだった。


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