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仁王連載
仁王君と大掃除B
「まだ終わらんの?」



仁王君は、今この部屋で一番綺麗といえるソファの上に座って寛いでいた。

後ろを向き、背もたれに腕を掛けながらベッドを片付ける私の方を見ている。

たまに仁王君の方を見ると、絶対目が合ったから、もしかしてずっと見てくれてるのかな。

なんて、目が合う度にドキドキが増していった。


その最中の冒頭の言葉。


「ごめんね、暇だよね」

「早く名前とイチャイチャしたいんじゃけどー」

「そ、んなこと言われたって…」


止まりそうになる手を必死で動かす。
うん!今は片付けに集中しなきゃ!
私だって早く終わらせて、仁王君といちゃいちゃしたい…なんちゃってっ…


「…終わった!」

やっとベッドの上の片付けが終わった。

よし、これでお布団を干し−−

「終わった?」

「ふぇっ」

いつ近付いてきたのか。
仁王君はベッドに座っていた私の後ろに来ていた。
腕をお腹に回され、耳元で囁かれる。

「終わって、ない、よ…」

「まだ終わらんの?」

そのまま雪崩込むように、ベッドに倒された。

「まだ……お布団ほさないといけない、し、机の上だって…」


ここで流されてはいけない!

「そんなん後でええじゃろ?それより…」

近いっ近いよぉ!
そんな熱い瞳で見ないでよ。優しい手で触れないでよ…
だって、だって今は



「は…早くお布団干さないと太陽傾いちゃう!私はっ…ふかふかになったベッドでまさはると眠りたいのにぃっ!」


若干涙目で言ってしまった。だって、本当に、今日から3日間まさはるが泊まってくれるのが嬉しかったから。

こんな狭いベッドだけれど、せめて太陽の匂いがする暖かいお布団で寝かせてあげたいんだ!


そんな思いが通じたのか、仁王君は私からどいてくれた。
口元を手で覆いながら、そうか、と小さく言って。

それから私も起こしてくれて、なんとお布団も干してくれた!
(な、なんで?)


それから1時間。ようやく私の部屋は綺麗になったのだった。


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