その他
Calling *由紀(イケ学)
「由紀ー!」
苗字が俺に駆け寄ってくる。
「次の実験一緒にやろう!」
キラッキラした笑顔で、俺に話し掛けている。
「早く!先生すぐ来ちゃうからぁ」
机に座っていた俺の腕を楽しそうに引っ張った。
「あ…!ほら、もう鐘なっちゃったじゃんー…」
廊下の途中。鐘の音というのは目覚ましのけたたましい音で−−−
「……またか」
このところ同じような夢を見る。
それには決まって苗字が出てきて、俺は学生で、二人は同級生という設定だった。
上半身を起き上げ、先程苗字に引っ張られた右腕をさする。
「そんなに望んでるってことか…?」
まだ腕に、あいつの温もりが残っている気がした−−−
あいつらが羨ましいと言ったら釈過ぎるが、まぁそうなんだろう。
机に座って、ギャーギャー騒いで、笑って……
だが、
「せんせー!」
そう呼ばれるのも満更ではない。
今は、な……
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