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立海連載
取り合い *丸井視点
やっぱり「あーん」はされるよりする方が楽しいだろぃ。

はは、赤也ざまぁ。


「ちょっと丸井先輩、いい加減にして下さいよ!名前先輩嫌がってるじゃないっスかぁ!」

「はぁ?別に嫌がってねぇし。なぁ?名前」

「えっと」

「センパイ!丸井先輩のよりこっちの方が美味しいですよ!はい、あーん」

「えぇっ」

「あ!赤也てめぇ!」

赤也が、事も有ろうに名前にスプーンを近付けた。

俺も負けじと名前にスプーンを近付ける。

「名前、あーん」

「名前先輩!」

「う〜んとぉ…」

ぜってー赤也なんかにやられてたまっか!

名前は差し出された2つのスプーンを見比べ、おろおろしている。

そんな姿も可愛いぜぃ。

ほら、こっち。早く俺の方のアイスを食べてくれよ――

「いてっ!」

その時、額に力が加わって、頭を後ろに倒された。


「コラ、名前が困っとるじゃろ」

指の間から見える、銀色の髪。

「なっ…仁王!?」

「仁王先輩!?なんでここに!」

仁王は両手で俺と赤也の顔を押さえている。ちょ、いい加減離せよぃ!

「助けにきたナリ」

なんだその発言!王子気取りか!!
ってかそうなると俺達ってなんなんだ?


「あ!におーちゃん」


やっと離れた仁王の手。

名前は少しほっとしたような顔を仁王に向けた。

仁王が俺の隣に座る。

「お前さんら、そんなことばっかしとると、名前に嫌われてしまうぜよ?」

う…そっか。俺達は名前を困らせていたのか…

「…それはイヤだ……ごめんな、名前」

「ごめんなさいっス」

謝ると、名前は少しキョトンとした後、華が咲くように、笑ってくれた。

「ふふふ。いいよ、ありがとう」


…なんでそこで礼を言うのか意味分かんねぇ…でも……


照れた顔も、困った顔も好きだけど、でもやっぱり、名前の笑顔が大好きだ。


君の笑顔が一番好き。






その後4人でしばらくアイスを食べたり話したりした。

仁王はアイスを買っていなかったけど、名前のアイスをじっと見つめていた。

それに気付いた名前が「食べる?」と聞くと、仁王が「あーん」と口を開けた。

名前は嬉しそうにスプーンを仁王の口に持っていった。

「うまいナリ」

微笑み合う二人の間で、俺と赤也が騒いでいたのは言うまでもない。

食いたいんなら自分で買えやー!!!

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あきゅろす。
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