[携帯モード] [URL送信]

立海連載
あーん、*丸井視点
「赤也、赤也。こっちも美味しいよ〜」

「あ!まじっすか!」

「はい、あーん」

「あーん!」

ぱくっ

「〜うまいっス!!」





〜うまいっス!!

じゃねーよ!
しかもあーん、てなんだあーんて!


只今ミスターアイス。
テーブル越しの俺の目の前には、名前と赤也。

くそ、イチャつきやがって…

先月までは、名前の隣は俺の席だったのに……


…でも、「あーん」なんてやってもらったことねぇな。

俺、赤也より下なのか?

いやいや!赤也が男として見られてねぇってことだよな!

うん、そうだぜぃ、きっと――


「ブンちゃん」

いつの間にか考え込んでいたみたいで、名前に呼ばれてはっとした。

「ブンちゃん、アイス美味しいね」





……あぁ。ホント、名前の笑顔ってすげぇな。

こんな嫉妬心なんて、ちっぽけなことに思えてくる。




「名前、」


ん?、と顔を上げた名前に、俺は自分のスプーンを差し出した。


「あーん」


「へっ?」

俺の行動がよっぽど意外だったのか、急にそわそわして、恥ずかしがる名前。
だがそんなことは構わず、俺はスプーンを名前の口に近付ける。


「あーん」



なんだよぃ。
自分がするのはいいのに、されるのは恥ずかしいのかよ。


横から赤也がギャーギャーうるさい。

だが俺には名前の唇しか見えていなかった。


そしてやっと観念したのか、名前が小さく口を開いた。

「…あーん」









……やべぇ!

なんだこれ超楽しい!!

餌付けしてるみてぇ!




「うん…美味しぃ」




かかかかわいい!!!
なんだこの可愛い生き物!!!!

…これはハマるかも。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!