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立海連載
怒った顔も *丸井視点
「名前っ」

「ん?あ、ブンちゃん」

あのよー、と俺は名前の耳元に近付いた。

「バナナはおやつに入るのかよぃ」

それを聞いた名前は、一瞬で笑顔になった。

「ブンちゃんも気になってたのー?」

くすくすと笑って、ちらっと真田の方を確認する。
そして俺の耳元に近付いて、

「バナナはおやつに入らないよぉ」

と囁いた。

「だよな!」

それだけ聞けて大満足。

ちょうどその時予鈴が鳴った。

「ほらお二人さん。教室行くぜよ」

仁王がやってきた。
荷物をまとめ、歩き出す。

「なー。このまま3人でサボっちまわね?」

廊下には午後の日が差し込んで、すげーあったかい。
きっと屋上とか行ったら気持ちいいんだろうな。

「それはいいのぅ」

「ダメだよぉ!」

仁王は賛成したが、すかさず名前が反対した。

「授業は受けなきゃだめー!」

膨れっ面になる名前。

でも、名前には悪いけど、そんな可愛い顔で怒られても全然恐くない。

「どうしようかの〜」

「におーちゃんそっち教室じゃないっ」

まだ名前をからかっていると、名前は最後の手段、みたいに俺達の手首を掴んだ。

「ほら、もう始まっちゃうよ!」

俺と仁王の真ん中で、少し前を歩いていく名前。

さすがにこの手は振りほどけねぇ。

それに、やっぱり屋上でも教室でも、名前が側にいないと嫌だしな。

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