立海連載
ランチミーティング *切原視点
ランチミーティングの召集が掛かった。
「よっしゃあ!久しぶりに名前先輩に会える!」
別に毎日会っているが、お昼に会うのは久しぶりだった。
毎日のように一緒にお昼を食べていたのに(余計なオプション付き)、ここんとこは部長達に先輩を取られて、全然一緒にいられなかった。
だからめちゃくちゃ嬉しい!!
「ということで、合宿しまーす!」
ミーティングの内容は合宿のことだった。
俺は歓声を上げる。
それは俺の周りの先輩達もだった。
きっと理由は同じ。名前先輩と、一日中一緒にいれるから。
そう思うのが俺だけじゃないってのはかなり釈だけど、それでもかなり嬉しい。
「場所はまた柳のペンションを借りることになりました。じゃあ、詳しくは柳から」
「あぁ。ではまず、名前、資料を配ってくれ」
「はい」
名前先輩が一人ずつに資料を渡しに回る。
早く俺んとこに来てよ、センパイ。
と、真田副部長と何か話しているようだ。
あー、先輩可愛いなー…そんな笑顔、副部長に向けなくてもいいっすよ。
でもさすがの副部長も名前先輩にはたじたじっすね。
その様子は丸井先輩と仁王先輩も見ていたらしく、俺達は顔を見合わせて少し笑った。
「行き渡ったな。では――」
柳先輩が説明を始める。俺はそれに耳を傾けた。
「はいはーい!バナナはおやつに入りますかー!」
説明が終わった瞬間、俺は勢いよく手をあげる。
「赤也!遊びに行くんじゃないんだぞ!!」
すぐに副部長の怒声が飛んできた。
「じょ、冗談っすよ!…ちぇ、これ言うのはお約束じゃないっすか…」
ほんと冗談の通じない人っすね。
ミーティングは大体終わった。
すると名前先輩がすぐに俺のもとへ来てくれた。
心臓が飛び跳ねる。
確かに先輩は、あのふわふわした笑顔を浮かべながら、あかや〜と近付いてくる。
嬉しさとドキドキで死にそうだが、次の瞬間、更にドキッとする行動に先輩は出る。
「赤也、あのね…」
俺の全神経が耳に集中する。
―バナナはおやつに入らないよ―
この人は、こんなことを言うためにわざわざ俺のところまで来てくれたのか……
なんだこれ…めちゃくちゃ嬉しい……
「あーかや?お前、さっき名前に何言われたんだよぃ」
さっきの光景を見られたらしい。丸井先輩が俺にヘッドロックしてきた。
「いぃ!…っ言わな、いっす…!」
「な、ん、だ、とー?」
絞まる絞まる!リアルに首が絞まるっ…
「ぃでででででー!」
攻防空しく、結局は吐かされてしまうわけで。
あのガムを噛んでいる人は、意気揚々と、さっき俺がした質問を名前先輩にしにいくのデシタ。
くっそー…たった1年しか違わねーのにぃ…
いや、でもあれは、加勢に来た仁王先輩のせいでもあるよな……
くっそ!いつか、ぜってー超えてやる!!!
いろんな意味で!!
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