[携帯モード] [URL送信]

立海連載
笑い上戸 *仁王視点
名前はよう笑う。俺と話す時もよう笑ってくれる。名前が笑うとこっちまで可笑しくなってくるから不思議じゃ。もらい笑いって言うんかの。


「ねぇねぇ聞いて〜!」

「なんじゃ?」

名前は自分の話をしたい時、そう話し掛けることが多い。聞いて?なんて言わんでも、名前の話ならいくらでも聞いてあげるきに。それでもその聞いて?がどうしようもなく可愛いんじゃから仕方ない。俺は名前に話し掛けられるのが大好きじゃ。

「朝すごく面白いことがあったんだよ〜」

また自分で面白いなんて言って、ハードルを上げるんじゃね、名前は。

「ほう。どんなことじゃ?」

「それが…それがねっ……」

そして思い出し笑いで、喋れんのじゃ。

「なんじゃ早よ言わんかい」

「うん、それがね、昨日豆食べてたんだけどっ…一粒どっかいっちゃって…で、朝起きたら…パジャマの胸ポケットに入ってたのっ」

そこまで言うとまた一人でツボってしまった。

「…俯せで寝てたから…豆こなごなぁ」


なんじゃその話は。
話の脈絡はないし、何が笑い所かも分からん。
じゃが、なぜか、何かが、全てが可笑しくなってきて、いつの間にか名前につられて笑っとった。

「バカじゃのーっ」

「でしょー!」



ほんと、名前の笑顔を見とると力が抜ける。

その後名前は、その話をいろんな奴にしに行った。

なんであぁも同じ話で笑えるんかのぅ…

しかし俺以外にもあんな笑顔で喋べっちょるのは、気に食わんぜよ。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!