立海連載
マネージャー *幸村視点
最初は、すごく大人しい子なんだと思っていた――
俺達の代と一緒に部活に入った名前。
他にも何人かマネージャーとして入っていたと思うが、覚えていない。皆すぐ辞めていったから。
名前を初めて見た時は、ただ単純に可愛い子だなぁと思った。
優しそうで穏やかそうで、大人しめの子だと思った。
だから、テニス部のマネージャーなんてハードな仕事を勤められるのか、不安だったんだ。
でも、そんな心配は不要だったね。
君は誰よりも積極的に動いて、先輩マネージャーから仕事を教わったり、部員の世話をした。
大人しそうという印象もガラッと変わったんだ。
かなりギャップあるよね。
こんなに天然で面白い子だとは思わなかった。
まぁ、優しくて穏やかってとこは変わらないけど。
1年の時は名前と同じクラスだった。
授業中の君や友達と話している時の君を見るのは楽しかったな。
名前は1学期の間にはもう、クラスの皆と仲良くなっていた。部活でも同じ学年の部員達はもちろん、先輩達とも打ち解けていたから、当然といえば当然。
名前は特定の人といつも一緒にいるというより、どこのグループへもすんなり入っていける子だ。
寧ろ周りが名前を取り合ってるようにも見える。
授業で班を決める時も「名前ー、こっちおいでー」とすぐ声を掛けられていた。
名前は皆に愛されている。
ある種のカリスマ性なのかな。見た目は普通の可愛い女の子なのにね。
そんな名前だから、男子からすごく人気がある。名前自体鈍感だから、気付いてないんだろうけど。いつも女友達やレギュラーの誰かは周りにいるから、あまり告白はされないらしいけど。まぁ、させないけどね。
名前はみんなのもの。そう、みんなの…。
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