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00≫≫1st SEASON
I HAVE CONTROL. 1



ガタンッ!


気流の影響か、ロックオンの駆るデュナメスが揺れた。

普段なら何も無い、それだけの出来事。

けれど今日ばかりは違う。

「揺らさないで下さい!」

「無茶言いなさんな!」

コクピットのシートの後ろの僅かなスペースに居るのは、髪と同じ様な色のパイロットスーツに身を包んだティエリア。
ヘルメットをしていないせいで、サラリと流れる髪が肩の上を自由に滑る。

今回のロックオンの任務は、この美人を地上のある地点まで送り届ける事。

じゃあドライブ気分で…と暢気に引き受けたのが間違いだった。

ただでさえデュナメスはハロやスコープ型コントローラを搭載する分、他のガンダムよりもコクピット内に余裕が無い。

そのお陰で快適な空の旅…とはいかず、ティエリアのイライラの矛先は全てロックオンに向かっている。

「貴方はハロに頼り過ぎです。少しは射撃と平行して操縦テクニックを磨いたらいかがですか」

「あのな…揺れるのは仕方ないだろうが」

さっきデュナメスが揺れたのだって、気流の関係で仕方の無い事なのだ。
決してロックオンの操縦テクニックのせいでは無い。


大体、運ぶんならアレルヤの方が得意だろう。
キュリオスの方が移動速度は速いし、操縦テクニックも悔しいがあいつの方が上だ。
お気に召さないなら、どうぞそっちへ行ってくれ。


………何て口に出そうものなら、容赦無く締め上げられる。

沸き上がる不満の言葉をロックオンは飲み込んで、出来るだけの安全運転を心掛ける。

ティエリアを無事送り届ければミッションコンプリート。
…なかなか難しいミッションかもしれない。

ロックオンがこっそりとため息を零した時、モビルスーツの接近を知らせるハロの音声が響いた。

一瞬にして緊張が走るコクピット内で、ロックオンは目視でそのモビルスーツを確認する。


あれはユニオンリアルドの飛行形態。
四機編成の小隊か。
この距離なら―――…


逃げ切れる、と思った瞬間、四機のユニオンリアルドの影から別のモビルスーツが現れ、デュナメスに向かってミサイルが発射された。


しまった!ユニオンフラッグか…っ!!


「ティエリア、伏せろ!!」

ロックオンがティエリアを抱き寄せた瞬間、デュナメスが大きく揺れ、強い衝撃が襲った。

「…っ!」

揺れが収まり、ティエリアはゆっくりと顔を上げる。

ハロが咄嗟にシールドを展開したらしい。
デュナメスに大きな損傷は無く、変わらず飛行を続けている。
だが、ティエリアを庇う様に置かれたロックオンの片腕は何故か動かない。

ティエリアの顔は青ざめた。

『ロックオン負傷!ロックオン負傷!』

けたたましく、ハロの音声が最悪を告げた―――。

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