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三男二女の事情
次女の事情


じじょのじじょうだ。


…………………私の朝は若干早い。


起きて、次男と三男の部屋に向かう。


「政宗、光成。朝だよ」


シャッと東側の窓のカーテンを開けると、二段ベッドからくぐもった声が聞こえてくる。


「姉貴ぃ……あと五分」

「ほらほら起きる!」


下段の次男を起こす。

うちの次男、政宗は、嫌そうに細く目を開ける。


恐いから睨むな。


無言で布団をはぎとってベッドの外に投げると、慌てて取りに行こうとして頭をぶつけていた。


軽くスルーして、上段を覗き込む。


三男の光成だ。


「光成、起きて」


スースーと少し開いた口から呼吸をする。

起きる気はないようだ。


仕方ない。あの手段を使おう。


「じゃあ、光成の朝ごはんは姉さんに食べてもらおっかな」

「だんだんネタが無くなってきたね、姉さん」


聞こえてきた声に見ると、さっきまでスースーと眠っていた光成はパッチリと大きな目を開け、私を見ていた。


「あんたやっぱり起きてたでしょ!」

「まさか。今起きたよ」

「また狸寝入りして!」

「濡れ衣だよ。証拠はあるわけ?」


誰に似たのか口が達者な光成に唸る。


「姉貴、その……着替えたいんだけど…」


政宗が顔を赤くして明後日の方向を向いて言うので、仕方なくリビングに下りた。


すれ違い様に兄さんに会い、今日の予定を聞くと「パラダイス」と答えた。


わかる私も私だな。






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あきゅろす。
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