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長編
2


ガララ、と教室のドアを開ける。

重い。
凄く、重い。

開ける時の気持ちが凄く重い。



「あ、来たよ…」
「いこ…」


こそこそと喋る声。

それを無視して自分の席に向かう。



「…はぁ」

つい溜息が漏れてしまった。


また、机の落書きが増えていたのだ。

机に落書きなんてベタだよね。
本当、笑える。

今の俺は笑う事が出来ない訳なのだけれども。


取り敢えず座ろうと椅子を引く。

が、


「…っ!!」

机の中に、何か…

フワッとしている…?
どちらかと言うとゴワゴワ…?


そしてうねうねと蠢いていて…

「ひぃっ…!」


毛虫。
机の中に毛虫が入っていた。


咄嗟に手に掴んでいた毛虫を放り出してしまった。


と、その時

ビシャッ…


「…ぁ」


はははははっ
ザマァーっ!!

周りから湧き上がる笑い声。


水を掛けられた。

植木鉢の下に敷いてる皿に溜まった水だったから少量だったけど… 濡れた。


でもバケツの水よりはマシなだけで決して少ない訳では無い。

どうしよう。

水かけられたのこれが初めてって訳じゃ無いけど。


「ぅ…」

寒気してきた。

まだこの時期は寒いから困るなぁ。
前かけられたのは真夏日だったから良かったけど…。

このままじゃ風邪引いちゃう。


取り敢えず上着は脱ごう。

冷え込んだ空気にぶるっ、と身震いする。


「寒そうだなぁ?ツナさんよぉ?」
「…」
「これでも使え、よっ!」

と、投げつけられた雑巾。

あぁ、汚いなぁ。
真っ黒じゃん。

しょうがないから机、拭いとこうかな。

「おい、何机拭いてんのー?」

うるさいな。
他に何拭けって言うの?

「お前の顔拭くためにやったんだけど?勘違いしないでくれなーい」

けらけらと笑い声。

あー、本当煩い。



「ちょっと、何やってるの」

と、ある人の声がした瞬間教室中が静まり返った。

入口には…


風紀委員の雲雀恭弥が立っていた。


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あきゅろす。
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