小悪魔☆奮闘記
5
「…ったく、好き勝手し過ぎだよ。僕をなんだと思ってるんだ、会長め」
僕はあの後日付がかわるまで帰してもらえず、部屋についたのは結局夜中の1時になってしまった。
作業も中断して行為に耽っていたため、明日の朝早く行って終わらせなければ。
ほんと余計なことをしてくれるよ会長。
また明日を考えると憂鬱な気持ちになってしまうので、ベッドに入るとすぐに目を閉じた。
眠りに入るまでにそう時間はかからなかった。
そして翌朝、
重い身体を引きずるように僕は生徒会室に向かった。
学校が始まるまであと3時間もあるから、作業を終わらせるには十分だ。
生徒会室に入ると、会長がすでに仕事をしていた。
この人、ちゃんと寝てるんだろうか?
「おはよー会長」
「あぁ」
「何時から仕事してるの。ちゃんと寝なきゃ倒れるよ」
カタカタと会長の打つキーボードの音をBGMに、僕も作業にとりかかる。
「あ?俺はお前みたいに柔じゃねぇ」
「僕だって柔じゃないよ」
ちゃんと健康管理はしっかりしている。
そういえば、昨日も今日も会長は仕事しっぱなしだな。会長職ってそんなに大変なのかな?
「他の生徒会メンバーは仕事しないの?」
ふと思ったことを口にしてみると、会長からため息が出た。
「お前気づかなかったのか?悠斗が来てからあいつら、ろくに仕事してないぞ」
おいまじかよ。
確かに、白石の金魚の糞のように四六時中一緒にいれば仕事なんてしているわけがないよね。
じゃあ今まで会長が1人でーーー?
「まぁ俺もあいつらと一緒になってたし。仕事やり始めたのはつい最近だ」
それでも気づけた会長は、やっぱり投票で選ばれるだけあると思う。
他の生徒会メンバーよりも少し大人なのだろう。
というより、他の奴らが子どもなのか…。
「会長、僕が手伝ってあげようか?」
恩を売っといて損はないだろうし。
性格の悪い僕の事だから、何か企んでいるのではと疑いの眼差しでこちらを見る会長だったが、すぐにまたパコソンに視線を戻した。
「はあ。今は猫の手も借りたいぐれぇだし、頼むわ。悠斗の金魚の糞してた頃の仕事が結構残ってるんだ」
本当に大変だったのだろう。
この人、意外に頑張り屋さんだったんだね、なんて思ったらちょっと笑えた。
「とりあえずはやくその雑用終わらせろよ」
「もう終わるよ。僕を誰だと思ってんのさ」
「俺専用の淫乱子猫ちゃん」
「死ねよ」
「あ?死なねぇよ。お前より長生きしてやるよ」
「じゃあ誰よりも長生きして孤独死してください」
「あほか」
なんて。
本当にくだらない、子供染みた口喧嘩。
それは生徒会室を出るまで続けられた。
少し楽しい気持ちになったのは、会長には内緒の方向で。
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