MONSTER HUNTER*anecdote
波乱(後編)
クシャルダオラの牙を受け止めていたアリスの身体が、ぐっと押されて後ずさる。やはり力勝負では古龍に勝てるはずもなく、終いには剣ごと弾き飛ばされてしまった。
アリスはよろめき、ぬかるんだ地面に尻餅を着く。そんな彼女にすかさずエースは駆け寄ると、腕をひっ掴んで立ち上がらせた。
「来い!逃げるぞ!」
アリスが言葉を発するより先に、エースは彼女を引きずる様に走り出す。
「エース、待って!あいつを倒すから離して!」
「馬鹿野郎っ!勝てるわけないだろ!」
「なんでよ!やってみなきゃ分からないじゃない!」
「無理なもんは無理だ!現実を見ろ!お前は可能性を夢見過ぎるんだよ!」
その言葉を聞いて、アリスは彼の手を思い切り振りほどいた。
驚き立ち止まるエースの眼に映ったものは、あの夜と同じ、決意に輝く真っ直ぐな碧眼だった。
「可能性を信じて、何が悪いのよ」
目前に立つ少女の底知れぬ覚悟に、ぞくりとエースの背中が震える。それと同時に、鎮まりつつあった胸のざわつきが甦った。
しかし、二人が言い合う間などない。真後ろにまで接近して来ていたクシャルダオラの風圧に押されて、二人は地に膝を屈した。
竜の纏う風はあまりにも強力。近付く事はおろか、たとえ剣を振るっても弾き返されてしまうだろう。
「勝手にしろ!俺は知らないからな!」
クシャルダオラに遮られてエースの姿は見えないが、声と共にバシャバシャと水飛沫をあげて遠ざかる足音が、アリスの耳に届いた。
また一人取り残された少女は、大剣を支えに立ち上がる。
「私は諦めない……!」
アリスは龍の周囲に渦巻く風に巻き込まれぬよう、距離をあけて走り出した。そして一定の間合いを保ちつつ、以前ラビに教えてもらった風翔龍の特徴を思い出す。
龍を取り巻くあの邪魔な風を止めるには、毒が有効だったはずだ。クシャルダオラの体内に毒が回っている間は、風の鎧が消え去るのだという。
しかし、今のアリスには龍を毒状態にする手段が無かった。毒の付加効果のある武器や、ギルドから支給される仕込み毒の投げナイフでもあれば良いのだが。今すぐに用意出来るはずがない。
そうなれば手段は一つ。竜の角の破壊である。クシャルダオラは翼を羽ばたかせて発生させた風を、頭に生えた短い角で操っているらしい。その角さえ折ってしまえば、二度と風の鎧を作り出す事が出来なくなる。
問題は、如何に頭に近付くか。迂闊に近付いて攻撃しても、風に剣は弾かれて、逆に反撃を喰らってしまうだろう。
近付くチャンスはないものかと、アリスは龍の動きを窺う。だが、執拗に追いかけてくる龍の攻撃を避け続けるにも、体力に限界はあった。ババコンガとの一戦を終えたばかりの身体では、尚更だ。
アリスは走りながらアイテムポーチの中をまさぐり、閃光玉を掴み取る。数は三つ。いずれも無駄には出来ない。
ちらりと後ろを振り返り、クシャルダオラの位置を確認する。タイミングを合わせ、アリスは自身が目を眩ませてしまわぬ様に瞼を閉じてから、一つ目の閃光玉を投げ付けた。
バンッと破裂音が響いて、辺りが眩しい光に包まれる。
一瞬の間を置いて目を開けたアリスは、クシャルダオラの姿を見て青ざめていた。
――ミスった……!?
龍は風の鎧を更に強めて、こちらに向かって来ている。風で閃光玉の軌道が変わったのだろうか。アリスはギリッと唇を噛んだ。
クシャルダオラはアリス目掛けて、風のブレスを吐き出す。周囲の木々を巻き込むようにうねるその風は、まるで竜巻のようである。咄嗟に避けようとしたアリスの、左足首が引き攣った。
「きゃああっ!」
風に飲まれたアリスの身体が高く高く宙を舞い、真っ逆さまに墜ちていく。
受け身はとったものの、ドスンと地面に叩き付けられた身体は悲鳴を上げた。
「ううっ……」
立ち上がる彼女の顔は、体中に走る痛みに歪んでいた。だが、その瞳は光明を見据えている。喰らったダメージは大きいが、それ以上の収穫があったのだ。
龍に接近するチャンスである。クシャルダオラが風のブレスを吐いた時、身に纏う風が無くなったのをアリスは見ていた。これを逆転への手がかりとしない訳にはいかない。
風のブレスを誘ってそれを避ければ、その隙に近付く事ができる。そうすれば角を破壊する事も、可能ではないのだろうか。
アリスは再び間合いをとりながら走り出した。
「あっ……」
途端にぐらりと揺れる視界。先程のダメージが身体の中に響いたのか、ガンガンと痛み出す頭と猛烈な吐き気がアリスを襲ったのだった。
目に映る世界が歪んで、龍の姿が直視できない。酷い耳鳴りが、雨の音さえも掻き消してしまっていた。
――意識が……。だめ、しっかりしなきゃ!
アリスは腰に携えた剥ぎ取り用ナイフを手探りで抜き取ると、意を決して自ら左腕を切り付けた。鋭い痛みが意識を呼び戻し、霞んだ視界が元に戻っていく。
ポタリポタリと傷口から流れ落ちる鮮血。それでもアリスは腕の傷を気にとめる事も無く、見失ってしまった龍の姿を探した。生い茂る木々と、激しい豪雨。加えて辺りの薄暗さに姿も気配もくらまされ、龍を見つけ出すのは容易な事では無かった。
見えぬ龍の姿に危機感が募る。背後から不意打ちを喰らわぬ様に大木を背にして立つも、安心出来たものでは無い。
「目ぇ閉じろっ!」
その時、どこからともなく聞こえた叫び声と共に、辺りは再び閃光玉の光に包まれた。
言われるがままにさっと目を閉じたアリスは、光が止んでから瞼を開く。その直後、光に目が眩んだクシャルダオラの巨体が、ドスンと落ちてきたのである。
少女の目前で足をばたつかせてもがく龍。こんなにも接近されていたのかと思うと、アリスはぞっと身震いした。閃光玉の助けが無ければ、確実に攻撃を喰らっていただろう。
「来い!」
背後から伸びてきた腕が、雨に濡れたアリスの肩を掴んだ。
「エース……!」
「いいから来い!逃げるんじゃねぇ、態勢を立て直すだけだ!早くしろ!」
何も言わずにアリスは頷くと、怒り狂う竜を置きざりにして、エースと共にその場を走り出したのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
森の中をひた走り、偶然にも小高い山の斜面に洞窟を発見した二人はその中に身を潜めた。
蔦に覆われた狭い洞窟内部には、錆び付いた採掘道具があちらこちらに放置されている。おそらくここは、資源を採掘し尽くされ、棄てられた元鉱山なのだろう。
「ここまで来りゃ、当分追ってこねぇだろ」
エースは地面に散らかったピッケルを蹴って隅の方に寄せると、適当な木箱を二つ見繕い、椅子代わりに並べて置いた。
そして入口の所で立ち尽くしたままのアリスに向かって、「座れ」と顎で木箱を差す。
「……助けてくれて、ありがとう」
アリスは木箱に腰掛けると、ペコリと頭を下げた。
「別に……。さっきの借りを返しただけだ。ほら、腕見せろ」
そう言われてアリスは未だ血の滴る左腕を、エースに差し出した。自ら付けた傷なのでそう深くは無いが、止血は必要である。
「無茶する奴だな、お前は」
「逃げちゃう奴よりイイと思うけど?」
アリスは悪戯に皮肉を込めて言ったのだが、エースはただ黙々と、取り出した長い布切れをきつく彼女の腕に巻き付けていた。
「……でも、エースは戻って来てくれたもんね。だから最初に私を置いて先に行っちゃった分も、許してあげる」
へへっと笑う彼女とは対照的に、エースは少し眉をひそめる。
「お前には目的があるんだろ?なぜ身を呈して俺なんかを庇ったりしたんだ」
ぎゅっと止血の布を巻き終えて、エースは真っ直ぐにアリスを見据えた。
心の中に渦巻くざわざわとした感情。そこから抜け出すには、彼女の口から答えを聞き出さねばならなかった。
「目的は大事よ。果たすまでは、絶対に死ねない。でもあの時は、何を差し置いてもエースを助けなきゃと思ったから」
「もしそれで、お前が死んじまったら意味ねぇだろ」
「あそこで助けずにいて、もしもエースに何かあったら、私はあなたを助けなかった事を一生後悔する。それに……」
ふと、以前にも同じ様な話をした気がして、アリスの言葉が途切れた。
思い起こせばあれはグラビモスを捕獲した日。自分を庇って負傷したラビと喧嘩をして、仲直りした夜だった。
助ける方、助けられた方。どちらにも相手を想うからこその、失う事への恐怖と後悔が付き纏う。
あの時のラビは、難しいねと笑っていた。
「……それに、何だよ」
話すのを止めてしまったアリスがじれったくて、エースは言葉の続きを催促する。
「うん……やっぱり難しい」
「はぁ?」
「自分の身も、目的も大事。でも仲間だって同じくらい大事。どれも失いたくない大切なもの。……欲張りかもしれないけど、全部守りたい。そういう事だよ」
自分なりの結論に納得したのか、アリスは満足げに微笑む。しかしエースの眉間には更に皺が寄っていた。
「意味分かんねー……。庇うのもそうだが逃げずに戦ったり、無謀にも程があるぞ」
「無謀じゃないって!ちゃんと考えながら戦ってたもん。アイツの隙も見つけたし、次こそ必ず倒せるよ!」
嬉しそうに語る彼女から視線を外し、エースは俯いた。
可能性を信じた結果、アリスは確かなものを掴む事が出来た様だ。頭ごなしに無理だと決め付けた自分には、掴めなかったものを。
「……結果的に、お前の選択が正解だったってわけか。保証も無いのによくやるよな」
「保証は無いけど、その場その場で後悔しない為の決断をすればいいんじゃないかな?それが正解か不正解かは別としてさ」
「……決断、ね」
事あるごとに面倒から逃げてきた自分には、程遠い言葉に思えた。だが少しだけ、ほんの少しだけ心のざわめきが落ち着いた気がする。
「逃げずに“後悔しない為の決断”とやらをすれば、俺もお前みたいになれるのかな」
「へ?私?」
エースが抱く劣等感に気付くはずもないアリスは、目を丸くして首を傾げた。
「きっと、本当は俺も見つけたいんだ。目指すものが、追い求める何かが。今の俺は目標も無くフラフラと……死んでるも同然だから」
そう言った後、エースは顔を上げて、心の1番奥にある言葉をぽつりと零した。
『お前の眼が、羨ましかった』と。
自分にも確かな目標ができれば、この眼に光が宿るのだろうか。彼女の様に、希望や可能性を信じてみたい。
何よりも“生きて”いたいのだ。
普段は乱暴で横柄な態度をとる彼が、この時ばかりは助けを乞い縋る目つきでアリスを見ていた。
「……見つかるよ。だって、エースは私を助けに戻るって決断をしてくれたじゃない」
「それに」と、アリスは彼の顔を覗き込んだ。そしてエースが止血してくれた左腕を伸ばし、彼の首筋に触れる。
「ちゃんと生きてる」
トクントクンと規則的に動く脈を感じ、アリスはにっこりとと笑うと、彼の額を思い切り指で弾いてやった。
「いってぇな!!」
「ほらほらさっさとその剣研ぎなって。そんなんじゃ龍は狩れないよ?」
エースが背負う手入れ不足の双剣を指差し、アリスは苦笑う。
紅く跡の付いた額を押さえながら、エースは暫し恨めしそうに彼女を睨みつけたが、やがてフゥと息を一つ吐いて双剣に手を伸ばした。
砥石を当てて一本ずつ丁寧に刃を研ぐ彼の心は、昨夜よりもずっと軽くなっていた。
いつか、確かな目標を見つけた時。まだ欝すらと残る霧の様なもどかしさは消えて無くなるはずだと、今は信じてみる。
「ちょっと外の様子を見てくるね」
アリスが立ち上がり、洞窟の出口に向かったその時。
グォォォオッ!と雨の音よりも遥かに大きい風翔龍の咆哮が響き渡り、ビリッと洞窟内の空気を震わせた。
さっと壁に身を寄せて屈み、アリスは慎重に外を覗き込む。
「そこに居る。すでにお怒りみたいね」
「っし、やるか」
研ぎ終えたばかりのキラリと黒光りする迅竜の双剣を担ぎ、エースは立ち上がった。
二人は互いを見つめながら一つ頷くと、拳を突き合わせる。
「無茶すんなよ」
「置いて逃げないでね」
うるせえよ、と叩かれた火竜の兜がカシャリと音を鳴らした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
走る足音が二つ、同時にバシャンと水溜まりを踏んで飛沫を撒き散らした。
その背後からは息を荒げたクシャルダオラが、四本足を目一杯駆使して逃げる獲物を追いかけている。
「おい!全然ブレスなんて吐かねーじゃねぇか!何が隙を見つけた〜だよ!」
「知らないわよ!アイツに聞いて!何でブレス吐かないんですかー?って!」
「阿呆か!答えてくれる訳ねーだろっ!」
ぎゃあぎゃあと言い争いながら、アリスとエースは森の中をひたすら逃げ回っていた。勢い良く洞窟から飛び出したものの、見つかるやいなやしつこく追い回され……このザマである。
暴風雨の中での持久走。人間が不利なのは火を見るより明らかだ。徐々にアリス達の走る速度が落ちて、竜との距離が縮まっていく。
「もう駄目っ!エース、囮になって!」
「ちょっ……お前さっき仲間助けられなかったら一生後悔するとか言ってなかったか!?お前が囮になれ!」
「絶対やだーっ!!」
ゼェゼェと息を切らして、とうとう二人は立ち止まってしまった。膝に手をつき、大きく肩を揺らす無防備なその姿は恰好の的そのものである。
すかさずクシャルダオラはぐいと上体をのけ反り、ブレスの構えを見せた。待ちに待った攻撃のチャンスが訪れたのに、二人の足には走り寄る余裕が無い。
「来る……っ!」
武器で防御が出来ないエースを守らなければ。アリスは彼の前に立ち塞がり、大剣を盾にして構えた。
クシャルダオラの口が開き、風の渦が巻き起こる。疲労した足腰が、暴風に耐えられるかどうか。アリスはぐっと歯を食いしばった。
その直後の事である。風のブレスがアリス達に向けられるよりも先に、龍の悲鳴が雨空に響き渡った。
ヒュンと雨の合間を縫って飛んで来た何かが、クシャルダオラの上顎を貫通したのだ。
よろめく龍に更に追い討ちをかけるように、何処からか放たれた“それ”は次々に首や翼を撃ち抜いていく。
予想外の出来事に唖然としていた二人の足元に、コロリと転がって来る小さな筒状の物体。アリスがそれを摘みあげてみると、火薬の臭いがぷんと鼻をついた。
「ボウガンの弾……の薬莢」
直感的にある男の姿を思い浮かべたアリスはハッと顔を上げ、龍を貫く弾の出所を目で追った。
すると豪雨の中。前方にある少し傾斜がついた大地に、ヘビィボウガンを構えた一人のハンターの姿を見つけたのだった。
雨に濡れて色濃くなった、蒼のギルドガードスーツ。羽帽子の下から覗く、ブラウンの瞳。……その男は、あの日離れ離れになってしまった大切な仲間に間違いない。
「ラビっ!!」
思わず歓喜の声を上げるアリス。それに応える様に、ラビはボウガンに弾を込めながら、ちらりと視線を移した二人に優しく微笑んだ。
「二人とも、少し離れていてくれ!俺が相手をする!」
ガンナーの存在に気付いたクシャルダオラはさっと向きを変え、けたたましい鳴き声を上げる。龍の標的は、完全に彼に移されたようだ。
それに動じる事も無く。ラビは毒弾を装填したボウガンを構え、鋭い目つきで相対する龍を見据えるのであった。◇◆◇◆◇◆◇
走る足音が二つ、同時にバシャンと水溜まりを踏んで飛沫を撒き散らした。
その背後からは息を荒げた怒り心頭のクシャルダオラが、四本足を目一杯駆使して逃げる獲物を追いかけている。
「おい!全然ブレスなんて吐かねーじゃねぇか!何が隙を見つけた〜だよ!」
「知らないわよ!アイツに聞いて!何でブレス吐かないんですかー?って!」
「阿呆か!答えてくれる訳ねーだろっ!」
ぎゃあぎゃあと言い争いながらアリスとエースは森の中をひたすら逃げ回っていた。勢い良く洞窟から飛び出したものの、見つかるやいなやしつこく追い回されて、全く隙をついて攻撃どころではない。
暴風雨の中での持久走。人間が不利なのは火を見るより明らかだ。徐々にアリス達の走る速度が落ちて竜との距離が縮まる。
「も〜駄目っ!エース、囮になって!」
「ちょっ、お前さっき仲間助けられなかったら一生後悔するとか言ってなかったか!?お前が囮になれ!」
「いーやーだーーっ!!」
ゼェハァと息を切らしてとうとう二人は立ち止まってしまった。膝に手をつき大きく肩を揺らす無防備なその姿は恰好の的そのもの。
すかさずクシャルダオラはぐいと上体をのけ反りブレスの構えを見せた。今が待ちに待った攻撃のチャンスのはずなのだが、二人の足に走り寄る余裕は無い。
――まずい、来る!
アリスは武器で防御が出来ないエースを守る為に彼の前に立ち、大剣を盾にして構える。
クシャルダオラが口を開けて竜巻の様に激しい風のブレスを吐こうとしたその時。雨の合間を縫って飛んで来た何かが竜の上顎を貫通した。
よろめく竜に更に追い討ちをかける様に放たれたそれは、次々に首や翼を撃ち抜いていく。
予想外の出来事に唖然としていた二人の足元に、コロリと転がって来る小さな筒状の物体。アリスがそれを摘みあげてみると、火薬の臭いがぷんと鼻をついた。
「竜の爪・・・の薬莢?」
はっと直感が閃いたアリスは竜を貫く銃弾の出所を目で追った。
斜め前の少し傾斜がついた大地にヘビィボウガンを構えた一人のハンターが立っている。
雨に濡れて色濃くなった蒼のギルドガードスーツを着込んだその男は、あの日離れ離れになってしまった大切な仲間に間違いなかった。
「ラビっ!!」
アリスが上げた歓喜の声に応える様に、ラビはボウガンの弾を込めながらちらりと視線を二人に移し、優しく微笑む。
「二人とも少し離れていてくれ!俺が相手をする!」
ガンナーの存在に気付いたクシャルダオラはさっと向きを変え、彼を睨みつけてけたたましい鳴き声を上げた。
それに動じる事も無く、何時も通りに冷静なラビは毒弾を装填した銃を構え、鋭い目つきで相対する竜を見つめるのであった。
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