奏の小説 復讐 「あ、なゆちゃ―ん」 屋上から帰ってきた私を茜ちゃんが呼んだ。 「どこ行ってたの?まりに連れられてたみたいだけど…」 茜ちゃんの笑顔が逆に怖い。 「なんか‥裏切り者みたいなこと言われて…でも反論したよ!」 「本当に?なゆちゃんやるぅ♪」 茜ちゃんが私に抱きついた。相当まりちゃんが嫌いなんだなあ。 「でもさぁ、まりさあ、ちぃちゃんらのグループに行ったでしょ?ちぃちゃんってクラスのリーダーだしグループの人数多くない?」 奈々ちゃんが言った。 「まぁ、ちぃちゃんだしね〜。多いのはしょうがないんじゃない?でもちぃちゃんがまりの味方っていうのはちょっと嫌だよね…」 二人はこのグループの人数が少ないと言いたいみたいだ。 「でもこの三人楽しいから人数で張り合わなくていっか♪新になゆちゃんが入ったことだし」 さすが奈々ちゃん。言うコトがかっこいい。 「そうだね―wでもちぃちゃんの彼氏ギャル男だから気をつけたほうがいいね」 *** 「な―ゆ―♪おはよ――」 廊下に4奈々ちゃんが居た。 「な‥奈々ちゃん、おはよう」 「なんかさぁ、クラス内空気悪くてさあ…居ずらいったらありゃしない;みんなまりの味方で無視しようって魂胆みたい。やることがガキだっての!」 やっぱ、そうなるよね; 昨日めっちゃ言い合いしてたし…… 「じゃあ、茜ちゃんが来るまでここに居とく?」 「そのほうがいいかもwあの教室本当にやだもんw」 奈々ちゃんがそう言って教室を睨んだ。 「でも女の戦いって燃えるよね」 「あ‥ははw」 私はそういうの苦手なんだけどな; やっぱ奈々ちゃんはすごい。 「な‥奈々ぁ〜なゆうう…」 茜ちゃんが泣きそうな顔で私たちのもとに走ってきた。 「どうしたのっ?茜」 奈々ちゃんがたずねた。 「バレーシューズがなくて‥それで、もしやって思って焼却炉見たら、あって……すごい汚くなってた;」 「えぇええ?!大丈夫?そのバレーシューズは?」 奈々ちゃんが言った。 「かばんの中。人に見られたくないし…」 「ゼッタイまりの仕業だよっ!やる事が卑劣すぎっ」 「茜ちゃん、可愛そう…バレーシューズ私が洗うよ」 私は結構そういうの得意だし。 「ううん。ママに新しいの買ってもらう…… うぅ〜〜なんで茜がこんな目に;泣けてきたぁ〜奈々ぁ〜」 茜ちゃんが奈々ちゃんに抱きついた。 「思う存分泣け!茜は何も悪くないカラ。 なゆちゃん、あたし茜と保健室行ってくるから先生に言っておいて」 「わ‥わかった!」 私は二人が心配だけど教室に向かった。 ガラ――― みんなの視線がキツいよーな。 私は黙って席についた。 「マジ、きめぇ」 まりちゃんが私にむかって言ってきた。 でも無視無視! というか言い返せない。 「…三枝と奈々は休みか?」先生がたずねた。 「あ、先生。二人は体調が悪いので保健室に行ってます」 二人とも大丈夫かなあ…… 「ぷぷ。だっせぇ」 またまりちゃんが言った。 本当にまりちゃんってなんなの? 人を馬鹿にしてこけにして‥何が楽しいの? [*前へ][次へ#] [戻る] |