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昼寝(威銀)


「ん、むぅ…」


目が覚めると、俺はちょっとした違和感を感じた。
仕事もなかった俺は、日常化した居間での昼寝をしていたはずだったのだが。
顔に被せたはずのジャンプはなくて、頭の下に何かがあるため天井と頭の距離が若干縮まっている。周りをよく見ると、俺が居るのは居間ではなく俺の寝室と呼べる部屋で。

耳のすぐ近くでは寝息をたてる誰かがいる。
てかくすぐってぇ!!

こんなことをしておきながら、のうのうと今俺の横で寝ている奴が誰なのか、顔を見なくてもわかった。

だからこそ、そいつの方を向いた。俺の頭の下にある、神威の腕に気を付けながら。


「……すぅ、…ん………」

気持ち良さそうに寝ている神威の寝顔は、実年齢よりも少し、幼い感じがした。

「かむ、い」

そっと名前を呼んでみるが、起きる気配がない。どうやらけっこう熟睡しているらしい。

………よし。

俺はもそもそと神威に出来る限り近づいて、ぎゅっと抱き締めた。

身体の位置的に俺の顔は神威の胸に押し付けていることになるが、構うもんか。
いつも神威ばっかり抱き付くんだからこのくらいしてもいいだろ。



…、トクン、トクン、


聞こえてくる神威の心音と、温かい体温が妙に心地よくて、俺はそのまま意識を手放した。












「…おにーさん、可愛すぎ……」

久しぶりに地球に来れることになったから阿伏兎の目をかいくぐって来てみると、気持ち良さそうに寝ているおにーさんが可愛くて添い寝してただけだったのになぁ。
ま、いっか。

俺は腕枕をしていない方の腕でおにーさんが窒息してしまうんじゃないかってくらいきつく抱き締め、ふわふわの銀髪とそれの甘い匂いに鼻をくすぐらせ、

「おやすみ、銀時」

最後に額にキスをして俺は目を閉じた。

おにーさんと同じ夢を見れたらいいな、なんて思いながら。



終わり。

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