FFWP短編 僕!!亡霊!!/アザレアの亡霊パロ【メイ×アルハ】 この廃都市の中、迷い続けた僕と共にいてくれた一人の青年。 彼の黒い翼に守られながら、ーーー暮らしていた。 「この悲劇は…いつまで続くの?」 また、目が覚めた。非日常な、普通の日が…始まる。 もう何年も同じ生活で。心が折れそうなほど辛いのに、慣れてしまったのだろうか、もう何も感じないような気すらする。 「お、もう起きたか。朝ご飯まだだから待ってて」 彼はエプロン姿で起床後の僕を見ながら言う。その後すぐに、何か炒める音が聞こえた。 彼が急いで準備する間に、僕も身支度を整える。お互い忙しくもないくせに、やけに急いでいる。 ちょうど髪をセットし終えると、トーストの香ばしい匂いが漂う。 「ご飯、できたよ」 その優しい声で呼ばれると、僕は身支度を終えてテーブルへ向かう。 「今運ぶから、待ってて」 「うん…!」 色鮮やかな野菜炒めに目玉焼き、熱々のポタージュがテーブルに置かれる。続いて彼が持ってきたもの、こんがり焼けたトーストに塗るのはバターだけのシンプルなものだった。 「うわぁ…!!美味しそう!!」 「そうか?まあ、味はいつもと同じだろうがな…」 そんな風に彼は言う。けれど、彼の料理は僕にとって三ツ星だ。 「いただきまーす」 まずはスープを一口。ちょうどいいくらいに冷めるよう、スプーンですくい息を吹き掛けてから飲む。 「どうだ?」 「美味しいよ!!」 「他のも食べてみてよ」 「うん!」 そう言われ、野菜炒めに手をつける。シャキシャキとした食感と濃いめの味付けが見事に調和している。 続いて目玉焼きにトーストも頬張る。口内に広がる後味と満足感。 「美味しい…!やっぱり、メイメイは完璧だね…敵わないや」 「そんなことないよ、俺にとってアルハは十分魅力的さ」 彼はずるい。照れちゃうけど嬉しい言葉とか、さらっと言っちゃって…やっぱり恥ずかしいかも。 「あの、片付けは僕もやるから…」 僕は席を立ち、空の食器を洗い場に持っていった。 ---気配がした。 争いの、終わった戦いから生じる争いの…気配が。 戦争。鉄の臭い。壊れた街。赤にまみれた肉片。 …大好きだった妹。 「んっ、メイメイ…」 思わず抱きついてしまった僕を、彼は優しく受け止めてくれた。 「………あれか。怖かったな」 語らずして全てを把握したらしい。優しいだけでなく頼りになる、まさに理想の男性…僕はそう感じた。 彼は僕の頭を撫で、 「もう大丈夫、俺がいるからな」 と囁いてくれた。 「んぅ、くすぐったいよぉ…」 久しぶりに愛をもらったと実感して、とても嬉しくて…もどかしい。 「可愛いなぁ、アルハは…ベッド行くか?」 「え、えぇ!?」 「冗談」 不安なんて、とっくに吹き飛んでしまった。 --- ぽろゆんをモチーフにしようとしたけどにがゆん気味…? 作業用BGMはびすさんの十面相です。ロベリアさんかっこよき。 |