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ロストウォーリア短編
突然の定め、世界の決まり事/オメガバース【はゆメグ/はゆ(α)×メグ(Ω)】**
※隼遊、唯凪、惇敬以外はβです





「唯凪ー、京太ー、夕ご飯できるまであとどれくらいなの?」
今の時刻は午後6時。運動に鍛練に頑張る忌み子たちには辛い時間である。
「んー、めし炊けるのは12分後くらいで、魚は処理が10分と焼くのに5分かかりそう」
「スープとサラダはもうすぐできるよ、先に運ぼうか?」
唯凪がそう言うと、待ちきれないといった様子でローゼとキアルが叫ぶ。
「早くしてよ、僕たちもう限界!」
「そうそう、歌に踊りに頑張ってたんだから…」
最近の彼女たちのブームは、アイドルの曲を覚えては仮想のステージで披露することだ。
鍛練にも一生懸命な2人だが、ステージ発表はそれよりも疲れるらしい。いつも20曲ほど歌い踊るのだから当然かもしれないが。
「わかった、サラダから運ぶね………あっ」
キッチンを出るときに、少しくらっときた。
もしかしたら薬が切れてきたのかもしれない…。そう思った唯凪は、キアルとローゼにサラダを届けると、京太に事情を説明し部屋へと戻っていった。
「唯凪さん…どうしたんでしょうか」
「きっと持病の薬が切れたんでしょう…俺も同じ薬を持っているからわかるんです」
心配する豊尚に対し、楽天的な発言の惇敬。
持病といい誤魔化したのは、唯凪と惇敬の取り決めによりΩ性に生まれたことを話さないで隠すことにしているからだ。
他にも抑制剤の服用を忘れないことなど、たくさんの秘密を抱えている。
しかし、たまたま影でその約束を聞いてしまっていた隼遊は黙っていなかった。
「持病…!?ちょっと心配だから、僕メグの部屋行ってくるね…」
そう言うも、本来の目的は…。
「はい、隼遊さんなら…唯凪さんを任せてもいいですよね」
「そうですね…お願いします」
このとき、二人は知らなかった。
隼遊の「性別」を―。

「はぁ、はぁ…メグ、今いる?」
「うん、入って?」
急いで駆けていったため、息もあがっている。そんな隼遊を、唯凪は部屋に迎え入れてしまう。
「大丈夫…?というか、持病って…本当に?」
質問攻めに合うも、ゆっくりと答えていく唯凪。
「持病って嘘吐いて…ごめん。違うの」
「うん…知ってた。あれでしょ、発情抑制剤…」
すでにバレていたことに驚きを隠せない唯凪。今すぐにでも犯してしまいたいという顔の隼遊。
長らく沈黙の時間が続くが、それを破った唯凪の発言は予想外のものだった。
「………繋がれるかなって」
「えっ…?」
「僕を…僕のことを、襲っていいから…」
その言葉で隼遊の理性は切れた。
「もうどうなっても知らないよ…?」

「あっ…はぁ、ん、ぁ…ああっ!」
「まだ下も触ってないのにイっちゃったの?」
胸元を弄りながら首筋に噛みつくと、唯凪はすぐに自身の液体で脚を汚した。
それでも主張し続けるそれを見て、隼遊は言う。
「それにしても、メグのって大きいよね…βならこれくらいで普通だと思うけど」
「そ、そう…なの?あっ、触っちゃ…」
手が当たるだけで、面白いほどに放出される体液。
他のΩより多くαの血を継いでいるだけあり、Ωでありながらも大きなものを持つ唯凪に対し、隼遊は呟いた。
「やっぱり、普通のΩとは違うんだね…」
しかし、唯凪は。
「そんなこと…ないと思うよ。発情の期間も、抑制剤の効き目も、他人と同じだし…」
「…そうなんだ。ちょっと…複雑」
隼遊はそう言うと、唯凪をベッドに押し倒して足を開かせた。
「ちゃんと避妊はするから」
「…しないで」
真面目な顔して唯凪が言う。どういうことなのか、と隼遊は見つめるだけだ。
「僕ね、ずっと考えてたの…はゆたんとの子供がもてたらって。それが今じゃダメかな…?」
強い目力でこちらを見て告げた唯凪。
確かに今はスプークも現れない平和な時期だ。これを逃したら、次はいつになるのかわからない。
皆にどう説明しよう…そんなことも頭をよぎったが、先ほど番になったばかりの相手が子を望むのならば、と本能は訴えかけた。
「…それで後悔しないのなら、いいと思う……僕はメグの意見を尊重したい」
そう言うとすぐに、隼遊自身を突き入れた。
「あ"っ…くっ、ぁ…」
粘液のお陰で挿れやすくはなっているが、やはりきついようで苦しそうな声を上げる唯凪。
「痛いなら言ってね?」
「うん…今は、大丈夫だから」
唯凪がそう言うので、隼遊の攻めは少し激しくなる。
「えっと…この辺かな?」
「あっ………いい、そこ…もっと、もっと…!」
「当たった…粘液のせいでわかりにくいんだけど、メグのいいところ」
発情期のΩなら仕方のないことだが、初めてその種の人と交わるため、隼遊は少し不満げな表情を浮かべている。
その顔に合わせたように攻めは激しくなっていく。
「ひゃああっ!あっ、もう、出そう…」
限界に達しようとする唯凪に、隼遊は呆れのような声で言う。
「僕まだイけないんだけど。もうちょっと待ってよ」
「あっ、ん…わ、わかっ…た…」
絶頂を抑えるのはかなり辛いことだが、唯凪は必死に合わせようとしている。隼遊もそれをわかっているようで、わざと外している。
だが、それを唯凪は物足りないと感じてしまう。
「んぁ、もっと、こっち…」
「あとちょっとだからね…すぐに良くしてあげる」
「はぁ、ん、んっ…」
もう堪えられない、唯凪がそう思い始めたところで、ようやく隼遊は外すのをやめラストスパートに向かうようになった。
「ひゃっ、あ、あぁっ…!」
「っ…中、出すよ」
「来てっ…来て!あ、あっ…!!」
同時に出すと、疲れきった表情の2人は顔を見合わせた。
「あ、熱い…」
まだ注がれたものの感覚が残っているのか、唯凪は涙目で言う。しかし、表情は安らぎに満ちていた。
「これで…僕たちも、ひとつになれたかな」
「何聞いてるのさ…はじめから、僕たちは一緒になるって決まってたでしょ?」
「へへ…そうだよね」
2人は抱き合いながら、深い眠りの世界へと落ちていった。

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