原作:俺が見た夢 2018/1/29 えげつないNL純愛()【前編】 『もしもし、めがろ? 私に会いに来て?』 なんとなく寂しくなった私は、いつの間にか彼に連絡していた。 進学校1年生、冬、彼氏なし。恋愛なんてしている暇もないし、何より魅力的な男子なんていなかった。 だから私は、めがろへメッセージを送ったの。アレをするために。 そうそう、めがろっていうのは、私の友人。男友達。10歳以上も年が離れているし、正直イケメンかっていうとそうでもないけど、まあ顔面偏差値は中の上だし。とっても誠実で、両親や教師には内緒のことも相談できて、頼れるお兄さんみたいなもんかな。 それで今日は、めがろになら言える、めがろとならできると思ったことを、頼んでみることにした。幸い、今日は両親も兄弟もそれぞれ出かけていて、夕方5時くらいまで家には私しかいないのだ。絶好のチャンスである。 そんなチャンスを生かすために、会いたいとお願いしたんだ。 『めがろ…××喪失したい』 いつだって、連絡をしたらめがろはすぐにやって来る。冠婚葬祭やライブさえなければ、だけど。今日はフリーらしく、私の片付けが追いつかないほど着くのが早かった。 ガチャっ。いきなりリビングの扉が開く。洗濯物が散らばった部屋が、彼の眼前に広がった。 玄関は、私がこっそり渡した合鍵で開けたのであろうから驚かない。だけど、音もなく外からここまで来たことには、心底びっくりした。 「あっ…」 めがろは外で何かを言っていたらしい。しかし、私の耳には届いていなかった。 「あ、めがろ…ちょっと待ってて」 結局、彼には廊下にいてもらうことにした。 「手伝おうか?」 って言われちゃったけど、自分から招いたんだし、下着だってあるし、そんなことできない。 十数分経っても、片付けがなかなか進まなかった。やっぱりめがろの助けを借りようとも思ったけど、恥ずかしかったからやめた。 3時間くらい経ち、ようやく片付けを終わらせて、彼を部屋に入れた。カーテンを閉めて、玄関の施錠を確認し、彼も手伝ってくれた準備はすぐに整う。 「この部屋にも、鍵があればいいのにな」 めがろらしい。私のことを一番に考えてくれる。実際、親などにバレるリスクは少しでも減らしたかった。リビングだから無理だよ、とは思ったけど。 「さ、始めよう」 めがろはもういつでもできる状態だった。 「うん」 「手短に終わらせねぇとな」 [*前へ][次へ#] |