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ガンダム00小説
ブリングの1日


ブリングなんですが、いまいちこの人わからないので、私の想像キャラになっています。
ちなみにこれ、2ndのストーリーではなく、1stのストーリーとなっています。話数的には17、8話くらい。みんなだんだん仲良くなりだしてきたころ。
ブリングが1stの世界にいたかどうかは知りませんが、まぁニルブリなので。
リボンズがいるから、たぶんいるかな……?
ではどうぞ(^ω^)





イノベイターとして自分は生まれた。だからイノベイターとして生きる。
永久に年をとらないこの肉体を、不老不死である生体を活かし切り、イオリア・シュヘンベルグの理想する世界をイノベイターとともに作ってみせる。
仲間……?
そんなものはいない。必要ない。必要な者などいない。たとえ……それがリボンズ・アルマークだとしても、だ。
だが彼はこの計画に必要とする存在。自分にとって必要ではないが、計画に必要ならば排除はしない。仲間とは思わないが、同志同類として認めている。ティエリア・アーデのような愚かなイノベイターでないことは確かだ。命令にでも何でも従おう。
計画の鍵はお前が握っているのだから。
こうしてブリング・スタビティは計画のために動いていたのであった。
そしてここはソレスタルビーイングの地上基地であるコンテナ基地。ここには4人のマイスターがいる。
潜入活動だ。
マイスターの性格を知るためである。勘が鋭い者がいれば計画がばれ、裏切るかもしれない。ガンダムを使って。もし、そんなマイスターがいたら殺せ、と。そして可能であらばコンテナ基地の破壊。それがリボンズの命令だ。
事は着実に進めていかなければならない。
ブリングはリボンズの手配により、ヴェーダのスカウトされたということで王留美がマイスターに紹介する。


「彼はコンテナ基地護衛を担当する、ブリング・スタビティです。」
「ヴェーダにスカウトされたのか?」


ティエリアは口を開く。
留美はうなずく。


「パイロット技術は十分にありましてよ。ただ4機のガンダムの能力にはいまいち匹敵しなかったため、試作型での基地の護衛を任せました。」
「試作型?」


刹那は問うた。
ガンダムに試作型などあったのか?そもそもなぜそれをもっと早く……
だが答えはなんとなくだが出た。
トリニティである。トリニティが出たことにより計画が不安定になりつつある。だからヴェーダが彼を、ブリングをスカウトした。
そう刹那は解釈した。が、それは外れである。答えを知るのはまだ少し先になるであろう。
刹那の質問にブリングが答える。


「GNドライヴが完成する少々前に、それを搭載するための機体の設計図をヴェーダから受け取りました。それが試作型。――とはいっても、完成したのはつい一年前。試作型はガンダムより新しく出来たガンダム。」
「俺たちが活動をする前に……てことは、こうなることはヴェーダもうすうす気付いてたってわけか?」
「はい。可能性は低くないと示唆していました。」


ロックオンの質問にブリングが答える。


「なるほどねぇ。んま、よろしく頼むぜブリングさんよ。」
「……はい。」


馴々しい。
ブリングは不快感を覚える。
ロックオン……ストラトス……彼はあまり眼中に置かなくても良さそうだ。だがマイスター年長者だ、油断はできない。
ブリングは一つ礼をすると格納庫へとむかった。
ティエリアはまだ知らなかった。彼の能力を。だから確かめたくなった。彼を、ブリングを――。
格納庫にて試作型を見つめるブリング。そこにティエリアが近づく。


「……ブリング・スタビティ。」
「……ティエリア・アーデ……何か?」
「……俺は貴様を認めない。」
「……それは……?」
「ヴェーダのレベル7の情報に貴様は名は昨日あがった。試作型完成とは随分と遅れて。――それに、試作型ならラッセが搭乗してもいいだろう。」


ティエリアは見抜いた。
毎日、参拝のようにヴェーダを信仰しているのだ。そんな昨日スカウトしたばかりの者をいきなりメンバーにするのだろうか。
それに予備マイスターであるラッセが搭乗してもおかしくはない。


「……そう思うのならそれで構いません。」
「へたな真似をすれば……後ろから撃つ。」
「……肝に命じておきます。」


ティエリアは立ち去った。
ブリングはティエリアとは反対方向のドアに向かう。


「ティエリアの言うことも一理あるな。」
「……!」


ロックオン・ストラトス……


「あんたを疑ってるわけじゃないんだが、でも正直……引っ掛かる。」
「……」
「そんな怖い顔しなさんな。俺の勘なんだが……ティエリアといいお前さんといい、似てるんだよな。」
「それは……?」
「……普通じゃありえねえその髪。染めたにしては鮮やか過ぎる。」
「それだけですか?」
「まさか。確実なのは、俺とティエリアの二人が目をつけたってことだな。」
「……」


ブリングは素早い動作で拳銃をホルスターから抜き、ロックオンに銃口を向けた。
ターゲット。
ロックオン・ストラトス


「ティエリア・アーデになら、俺に何かを感付けても問題はなかった。奴は同類だからな。――だが貴様のような人間にバレては困る。」
「別に他人のことペラペラ話すような人柄じゃねえんだが。」
「おなじこと、だ。」


引き金に力が入る。
ロックオンは余裕の笑みをこぼす。
引き金をひく。しかし弾は出なかった。
引き金だけひいても意味がない。スライドだ。彼はスライドをひいていなかったのだ。


「馬鹿な……」
「焦ってるだろ?」
「……っ……」
「まさかバレるとは思わなかったか?」


そんなことはなかった。だが……まさかこんなに焦るとは思わなかった。
まるでなにもかもお見通しのように。

――リボンズ、教えてくれ。
なぜ俺は……
俺はこんなにも焦っているのだ?
この男から殺気が感じられないのは何故だ?
なぜ……スパイなのに殺さない?
人間はどれほどまでに愚かなのだ?
――いや、これは愚かというのか?

「優しさ」と……いうのか?

俺には一生かかってもわかりそうにない。だが、彼は……ロックオン・ストラトスは、愚かでない。
愚かでは……



END

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あきゅろす。
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