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01


2.更




そうっと、そうっと一番隊舎へと忍び込む。大きく厳かに掲げられた「一」の字が御影を出迎えた。


(あー…始まってる。やっぱりあの後桜餅で口直ししてたのがマズかった)

御影は腰を屈め、ずらりと並ぶ隊長たちに気付かれぬよう気配を消し、抜き足差し足で自分の並ぶべき場所がある一番奥へ進んで行く。

通常、遅刻しようものなら部屋に足を踏み入れたところであえなく総隊長並びに十番隊長に一喝されるところが今日は違った。




「いややなあ。まるでボクがわざと逃がしたみたいな言い方やんか」
「そう言ってるんだヨ」
「うるせえぞ涅!今は俺がコイツと喋ってんだ!すっこんでろ」




(まぁたやってるよ。飽きないねえコイツらも)

殺気立つ更木剣八、毒々しい霊圧で責める涅マユリ、それを軽薄な言動で茶化す市丸ギン。
いつもは耳に耐え難い三人の喧嘩も今回ばかりは御影には都合が良かったので、御影は心の中で礼を言うとにやりと笑って定位置についた。




「よしギリギリセーフ」
「どこがだ。毎回毎回遅ぇんだよてめーは」

銀髪が視界に入り、毎度お馴染みの罵倒が聞こえた。自分より圧倒的に背の低い彼に受ける叱責というのは誰であっても癇に障るものである。
御影は嫌味ったらしくこう言い返すのだ。


「ふふん。この私が時間通り行動できるとお思いなのですか?チビッコ冬獅郎クン」
「…てめー後で覚えてろ」
「お子様はとっとと帰って寝ろ。そんなんだから態度しかデカくならないんだよ」
「…!!!」

今にも掴み合いの子どもじみた喧嘩が始まりそうで、他の隊長たちはやれやれと肩を落とした。






「やめんかい!!みっともない!」





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あきゅろす。
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