[携帯モード] [URL送信]
1


「あーもー!翔〜勉強あきたー!!」

「そういわれても…まだ始めて30分も経ってないよ…?もう少しがんばろ…?」

放課後の教室。
部活の準備をする人や、このあとの予定をたてながら帰る人で賑わう時間だが今はテスト期間。
すでにほとんどの生徒が帰宅している。
その中、瀬戸 翔(セト カケル)は担任から頼まれ草間 祐太(クサマ ユウタ)に勉強を教えていた。

「もう30分だよ〜ねぇ〜」

くりくりした大きな目で上目づかいをしながら拗ねるように唇を尖らせる姿は可愛い。
甘やかしたくなる。
だが、勉強を教えるのは祐太の追試を回避させる為にと頼まれたこと。
責任感の強い翔は心を鬼にして勉強を進める。

「でも、今頑張らないと草間また追試だよ?それでもいいの?ね、がんばろ?」

「うぅー追試もいやー」と愚痴る祐太励まそうとした瞬間に祐太は顔をあげた。
何かを思い付いたのか満面の笑みで翔を見上げる

「そーだ!ご褒美ちょうだいよ!」

「ご褒美…!?」

戸惑う翔に顔を寄せる祐太。

「そっ!30分もがんばったんだしご褒美があればそれを糧にまたがんばれるよ!だから…」

口角を上げニヤリとしながら翔の耳元に唇を寄せる。

「翔から僕にキスして…」

そういうと真っ赤になって呆然としている翔の耳たぶを甘く噛み祐太は元の位置に戻る。

「ねっ、いいでしょ?」

「………んっ…」

有無をいわさぬその笑顔に翔は頷くことしかできない。
さっそく、目を閉じる祐真。
祐太の肩に震える手を置き、周りをキョロキョロと見た。
心臓は早鐘の様に打ち鼻息が微かに荒くなる。
祐太の肩に置いた手もなんだか湿ってきて気持ち悪い。
覚悟を決めてぎゅっと目をつむり顔を近づけた。


――ぷっ……


静まり返る教室に笑い声が響いた。
ゆっくりと目を開けた翔は祐太を見つめると笑いを堪える祐太の顔があった。

「ぷぷぷっ。翔、変な顔!」

「うっさい!ほら、きっキスするんだから黙っ……」


言い終わらない内に祐太は背伸びをして翔の唇を塞ぐ。
一瞬の出来事だが、満足した祐太は翔の背中に腕を回し引き寄せる。


「……僕、なんだかそれだけですまなくなっちゃった」

身体を擦り付け、甘えた声で翔を見つめる瞳は熱で潤んでとんでもなく色香を放っている。

「ねぇ…別の勉強したいなぁ…センセ」

翔にさらに追い打ちをかけるようにズボンの上から中心部を撫であげるが……

「草間!勉強する気がないなら帰るよ!」

羞恥で赤くなっていた顔を怒りで赤くして手を跳ね退ける。
その迫力に今度は祐太は呆気にとられるがすぐに、

「ごめん、ごめん。がんばるからさ、今度はちゃんと翔からキスしてよね!」

と言い笑った。


end...

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!