Lily ゲームセンター〜裕貴〜 次の日、何するかって話をしていたら、ゲーセンに行くことが決まった。何てったって、みっちゃんがゲーセン大好きだから。 「プリ撮ろうぜー」 着くと、みっちゃんは真っ先にプリクラのところに行った。ゲーセンに来たら必ず撮っている気がする。だけど、俺も結構好きだったりする。自分から『撮ろう』とは言えないけど。 「あたしパス」 「俺も」 「俺もいいや」 なんと、チョウがプリクラを撮らないと言い始めたら、続けてゆうちゃんとけいちゃんも撮らないと言った。文弥はもとから撮る気がないのか、違うところに行ってしまった。 「チョウ!撮ろうよ!!」 「いや、あたしあんまプリとか好きじゃないし…」 流石みっちゃん。 超強引。 だけど、俺もチョウと撮りたい。 「えぇー。そんなこと言わずにさ?」 「いや、いいっす…」 どうしてもみっちゃんはチョウと撮りたいらしい。なんかいろいろ説得に入った。 「…だから… 「あれ?深田?」 みっちゃんの説得を遮って、チョウを呼ぶ声が聞こえた。 え? 誰? 「あっ。島田君」 ‘島田君’? 「それに斎藤君に…」 チョウはそこまで言って考えている。 「宮島君!」 チョウがそう言うと、その3人組の1人が微笑んだ。多分、そいつが‘宮島君’だろう。それで、最初にチョウの名前呼んだ奴が名前を最初に呼ばれたから、‘島田君’。残りの一人が‘斎藤君’。 「何でお前こんなとこにいんの?…ゲッ、藤澤…」 ‘島田君’がゆうちゃんを見てびっくりしている。 そのゆうちゃんはというと、最高に冷めた目でその3人組を見ていた。 「『何で』って普通に遊びに来てるんだけど」 「もしかして、藤澤と?」 「まぁ、藤澤君だけじゃないけど」 全くだ。 俺達がいるって。 みっちゃんなんかあんな近くにいるのに。 「お前等何?」 とうとう、みっちゃんが口を出した。どうやら、あんなに近くにいたのにゆうちゃんしか見てなかった‘島田君’にムカついたらしい。 「はい?ただのクラスメイトだけど?」 「亮太、行こう」 みっちゃんに噛み付いてきた‘島田君’を‘宮島君’が止めた。 賢明な判断。 あいつは結構頭良いかも。 「じゃあね、深田さん」 ‘宮島君’はそう言って、歩いて行った。 不服そうな‘島田君’と、最終的に一言も喋らなかった‘斎藤君’はその後に付いて行った。 それから、3人の話し声が聞こえてきた。 「何で止めたんだよ」 「あんな馬鹿そうな奴等相手にしても、時間の無駄だって」 ピクッ。 『馬鹿そうな奴等』? 『時間の無駄』? 俺とみっちゃんと正樹は同じことを考えいたらしく、あの3人組に戦闘を申し込んで来ようと体が動き出していた。 よし、ちょうど3対3。 が、それを義文が俺、ゆうちゃんがみっちゃん、遼ちゃんが正樹を後ろから制止させる。 「今行ったら本当に馬鹿だと思われるぞ」 ゆうちゃんが言った。 それもそうだ。 「本当、お前等馬鹿だよな」 けいちゃんの言葉に反論ができないのが情けない。 「ってか、本当にクラスメイト?」 みっちゃんがチョウに聞いているのが聞こえてきた。 「あぁ、うん。宮島君は違うけど」 ふーん。 友達多いよな…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |