[通常モード] [URL送信]

Lily
同じ趣味〜大輔〜
亮太のクラスにすごく綺麗な人がいるということは知っていた。結構一匹狼的みたいで、よく一人でいるのを見かけた。
それに、誰も寄せ付けないようなオーラを放っていた。それを示すかのように、彼女から半径2メートルくらいには誰もいなかった。
そんな彼女の名前は、亮太に聞いたら‘深田楪’ということがわかった。珍しい名前だったから、すぐに覚えられた。
あと、驚いたことに、和也に聞いたらクラスで一番深田さんと仲良いのは亮太らしい。同じクラスなら、話す機会はいっぱいできるだろうけど、その中で一番っていうのは許せない。
だけど、亮太と和也は深田さんのことは綺麗だと思うらしいけど、好みではないと言っていた。あいつらが好きなのは、同じクラスの金井美鈴っていうロリ系の人。あの2人はロリ系が好きらしい。逆に俺はロリ系に興味はない。
あの2人が深田さんと仲良いのは、深田さんが金井さんと仲が良いっていうのもあるのかもしれない。あいつ等にとって、深田さんは友達らしい。
そんな2人のおこぼれに与ろうと俺は考えた。あいつ等と一緒にいたら、深田さんと話す機会がくるかもしれない。
案の定、俺が深田さんと話す機会はすぐに訪れた。


ある日、3人が廊下で話しているのを見た。
そのままその3人の横を通ろうとしたら、亮太に呼び止められた。
「あっ、大輔」
「ん?」
「SAWの1って、最後どうやって終わるんだっけ?」
「SAW?確か、家族がいる人のほうがのこぎりで足切断して脱出するんじゃなかったっけ?」
俺がそう言うと、深田さんが話かけてきた。
「だよね!この2人、2人とも死んだって言うんだよ?」
「死んだとは言ってなかったでしょ。まぁ、死んだかもしれないけど」
「えぇ〜?そうだっけ?」
「何の映画の話してんだよ?」
深田さんが2人を馬鹿にするように言う。その顔が無邪気で可愛かった。
「うっせ。忘れたんだから仕方がない」
「開き直るな。じゃ」
俺はそう言って、3人から離れた。
あの場にこれ以上いたら、本気で深田さんに惚れそうで怖かった。あんなライバルが多い人なんかに惚れても無駄だ。努力はあまりしたくない性分だから、もっとレベルの低い子に惚れた時にでも頑張ろうと思う。
こんな性格の自分が情けないけど…。

それにしても、深田さん映画好きなんだ。
それも、SAW観るのか。
もしかしたら、ちょっと話合うかも。
今度映画の話で話しかけてみるか?

自分では気付いていなかったけど、この時点でもう少し惚れかけていたのだと思う。
まぁ、最初から気になっていたから。趣味が合うってことで、余計好印象になってしまっていた。


[*前へ][次へ#]

2/10ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!