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Lily
生徒会〜琉〜
夏休みが終わり、期始めテストも終わった俺の次のイベントは、生徒会総選挙である。
もちろん俺には、学校をより良くしよう何て考えは全くない。ただ、将来生徒会長になった時に、学校を俺にとって都合の良いようにしたいだけだ。これは全て、冬夜さんに憧れたから。
「琉ちゃん、本当に立候補したんだね」
「まぁな」
「お前、何やらかす気だよ」
「『やらかす』とは失礼だな。そんな問題になるようなことはしない」
「琉ちゃんは悪知恵が働くからねー」
「『悪』じゃない、ただの知恵と言え」
生徒会になって早々、派手なことをしようと思っているわけではないのだから。
「まぁ、気長に待ってろって。俺が生徒会長になった時を」
「結構先だな」
「琉ちゃん本当に生徒会長になりそうだもんね」
「生徒会長になれなかったら、生徒会をやる意味俺にはないからな」
「お前怖いわ。まぁ、まだ生徒会にもなってないけどな」
「いや、俺はなるよ」
「すごい自信だねー」
「まぁな」

俺がならずして、誰がなる?


その後、俺は無事生徒会に当選した。俺としては当然の結果だが。伊達に愛想を振り撒いて生きてきたわけではない。教師達も俺が生徒会になったことを、俺以上に喜んでいる。
「平塚君、当選おめでとー」
「ありがとう」
廊下ですれ違う際、前以上に色々な女子に声をかけられるようになった。正直面倒臭いが、これも将来のためと思うしかない。
そんな今日は、新生徒会の顔合わせがある。

面倒臭ぇ…。

俺としては、生徒会長になっていない今の段階は、あまり生徒会活動なんて無駄なことはしたくない。
「失礼します」
生徒会室に入ると、既に他の生徒会の人達は全員集まっていた。
「集まったな。それでは、今年度第1回新生徒会活動を始める」


「あっ、平塚じゃん」
集まりを終え、部活に向かおうとしていた俺に気付いた内海が声をかけてきた。どうやら部活の途中らしく、体育着を着ている。
「何してんの?」
「生徒会の集まり」
「あー。お前生徒会だっけ?」
こいつには、俺の今の気持ちをぶっちゃけてもいいだろう。今の俺は、この気持ちを誰かに伝えたくて仕方がない。
「なぁ、内海」
「何?」
俺は声のトーンを下げた。
「やべぇよ、生徒会マジで面倒臭ぇ」
俺の発言を聞いた内海は、最初驚いて目が点になっていたが、いきなり爆笑した。
「あははっ!そんなことわかってただろ!」
「いや、わかってたけど、まさかこんなに面倒だとは思ってなかった。毎週、学校をより良くするために話し合わなきゃいけないんだって。興味ねぇよ」
「それは確かにダルいな」
「やべぇなー…。これからどうしようかなー…」
「辞めれば?」
「そんなことはできない。俺の評価が下がる」
「お前、何がしたいの?内申点の為?」
「そんな為だけに生徒会なんかやるかよ」
内申点くらい、生徒会をやらなくても上げられる自信がある。
「将来生徒会長になった時に学校を俺の都合の良いように動かしたいだけだよ」
「『だけ』ってレベルじゃないけどな。お前ならやりそうだもんなー。まぁ、せいぜい頑張って」
内海はそれだけ言うと、部活に戻って行った。

我慢するしかないよな…。

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あきゅろす。
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