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優しい運命のお話
☆夢も悪くない☆

〜〜〜〜

【ゴーン…ゴーン……】

今僕がいるのは……
教会だ

「リオン、結婚おめでとう!」
「ふん……お前もさっさと結婚ぐらいしたらどうなんだ?」
「あはは…
結婚っていっても、一人じゃできないんだからな?リオン、頭大丈夫か?」

スタンは、遠くでフィリアやマリーと話しているルーティを一瞬見てから、毒舌気味に僕に言った

「…意気地なしのお前には言われたくないな」
「うっ…きつい事言うなって〜」
「これが僕の性格だ…
ほら、教会に入れ…もうすぐ時間だぞ……」
「んっ?…ああ、もう時間なのか……なぁリオン…」
「…なんだ?」

スタンは僕の耳元で囁くように言う

「キスする時、皆見てるからって緊張するなよ?」
「っ!スタン、貴様っ…殺されたいのか!?」

顔から火が出るくらい恥ずかしかった…

「おおーっと、俺達ももう行かないとな〜」

くそっ、スタンめ!
まぁ、正直あいつはどうでもいいさ……

式が始まり、新婦入場
入ってくるのはもちろん――

純白のウェディングドレスを纏った
僕の愛しいユウ……

式は順調に進んでいき…

「病めるときも、健やかなるときも…
2人力を合わせ、どんな困難にも立ち向かう事を誓いますか?」
「「誓います」」

そして…その時がきた……

「では、誓いのキスを……」

向かい合う僕とユウ

ユウの顔にかかっているガーゼ(?)をめくる

(…やっぱり……ユウが1番可愛いな…)

僕達はゆっくり、顔近付けてゆく……


〜〜〜〜

「…リ…様っ!?…ちょっ、リオン様!!」
「…ん?―――――っ!?…何故貴様がここにいるんだっ!!」

目を開けたら、あるはずのユウの顔は無く
代わりにシンの顔があった………

「何故って……マリアンさんが『リオン様が朝御飯食べないと、いつまでたっても片付けられないから』って……俺――私が呼びに来たんです…」
「…そうか……あと少しで食堂に行くからもう出ていけ!」
「はっ…はい!」
【ガチャガチャ…バタン!】

今のアクシデントを思い出し
唇が触れたわけでもないが一応口を拭っておく

「…くそっ!(だいたい何故シンなんだ!?
僕がユウにキスするところだったのに!)」

一通り、夢を最後まで見きれなかったことを悔やむ

まぁいいさ……ユウを探しに行こう

《(坊っちゃん、相当怒ってますね)》

…とりあえず、食堂へ行く


‐ヒューゴ邸・どこかの部屋の前‐

食堂で食事を済ませた僕はユウを探していた

(僕の『ユウレーダー』によれば、ユウはこの部屋にいるはずなんだが……)

…中から、母さんや姉さんの声も聞こえる…
と、その時…部屋の扉が開いた

「あっ、エミリオじゃない…今呼びに行こうと思ってたのよ」
「は?……」
「まぁ、中に入って」

中から出てきた姉さんに手を引かれ
僕は部屋に入る…

部屋には母さんがいて………ユウは何処にいるんだろうか?

そんな事を思っていると
カーテンで遮られた向こう側から

「えっ…リオンもう来たの!?」

驚いているユウの声が聞こえてきた

「僕がどうしたんだ?」
「な、何でもないけど……ちょっとね…」

声音だけでカーテン越しからでも思い描ける
照れたように髪を弄るユウの姿

「まぁまぁ…そんなに恥ずかしがらなくても」
「そうよ
…ユウ、準備はできた?」
「…は…い……」
「………?」

一体、何が始まるのだろうか?

母さんと姉さんが同時にカーテンを開ける……
そこには………

今朝の夢と瓜二つなユウがいた……

「………」

僕は目を丸くした………

「そんなに変かな……?」
「私が昔着たもので、この部屋を整理していたら出てきたのだけど……
面白そうだったからついユウに着せてしまったのよ♪」
「でも……ユウって、何着ても似合うわよね〜」

母さんと姉さんが笑っているのを尻目に僕は……

「………」
「…リオン?………」
「ちょっと母さん、エミリオってば気絶してるわよ…」
「「えっ?」」

僕は、あまりのユウの可愛さに意識を手放してしまったのだった
そして、気絶しながら僕が思ったことは………

(夢も悪くはないな…)

だった


‐完‐

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あきゅろす。
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