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優しい運命のお話
☆星に願いを☆

その日、僕とユウはテラスで紅茶とケーキを食べることになった


〜リオンの部屋〜

「こんなものか……?」

テーブルと椅子を何度も置き直したりずらしたりして
やっと位置を決める

約束の時間まであと15分ちなみに今は午後8時45分

「だいたい、あいつは分かっているのか?……普通ならこんな遅い時間に男の部屋には来ないものだぞ?
…鈍感なのか?誘っているのか?……
いや…ユウはシンが好きなはずだぞ?
くそっ、あの執事見習いが!!僕のユウなのに……まぁ、あんな奴は僕の恋路のハードルにもならんがな…」

なんて考えているうちに9時になり……

【コンコンッ】

来たっ!

「いっ、今開ける……」


扉を開けると…ポットとケーキ、そしてカップが2つ乗ったトレイを持ってユウがいた

「リオン、こんばんは」
「ああ…テラスに運んでくれ…」
「うん♪」

素早くテーブルの上に準備すると

「じゃあ、食べよう?」

そんなに早くケーキを食べたいのか、満面の笑みを浮かべてそう言ったユウ

「っ……」

か、可愛い…
僕はケーキよりお前を食べたいっ!!

《……〈あぁ、坊っちゃんが変態になってる…》

難なくケーキを食べて(ケーキを頬張るたびに幸せそうな顔をするユウを見て、僕が理性を失いかけているのは言うまでもないが……)僕らは星を見上げていた…

「綺麗だね〜」

僕はお前の方が、綺麗で可愛いと思うが……

「…綺麗だな…
「これだけ綺麗なら、流れ星じゃなくてもお願い叶えてくれるかな?」
「………試してみたらどうだ?」
「じゃあ、リオンも一緒にお願いしてよ」
「なぜ僕が…」
「たまにはいいでしょ?」
「……まぁいいか…」
「よし、決定!
それじゃあ、お願いしますかぁ〜♪」

僕達は目を閉じた……

「……(これからもリオンといれますように)」
「……(これからもユウといれますように〉」


「……ユウは…何を願ったんだ?…」
「ひ・み・つ♪……リオンは何を願ったの?」
「秘密だ」
「あははっ、何それ〜」
「ふっ、それをいうならお前もだろう」

この夜、僕の部屋から笑い声が絶える事はなかった…


‐完‐

☆プリンが繋ぐもの☆

「ふぅ……やっと終わったな…」

僕は仕事を終えて帰路についていた

〜ヒューゴ邸・玄関〜

「急がないと〜……」

ん?………あれは…シンか…
あんなに急いでどうしたんだ?

ふと、シンが持っている袋に目がいく

あれは…ダリルシェイド一、デザートが美味しいと有名な店の物じゃないか
(詳しいんですね、坊っちゃん…、byシャルティエ)

ふん、さては僕とユウのために買ってきたんだな………あいつも気が利くじゃないか
そういえばユウは今日、非番だったな……全く、僕の補佐として緊張感というものが不足しているんじゃないのか?
まぁ、そんな事はどうでもいいが…せめて任務だった僕の見送りぐらいしてくれても……
(長くなりそうなんでカットしますね〜、再びbyシャルティエ)

僕は夕飯を食べに食堂へ向かった…


〜ヒューゴ邸・食堂〜

…ん?…この臭いは……

「…お粥か?しかも卵粥…」
《坊っちゃん…臭いでなにか分かるんですね……》

「エミリオ様、どうしました?」
「【ビクっ!】あ、あぁ、マリアンか…」
「幽霊でも見たような顔して…私、少し傷付きましたよ?(黒いオーラ」
「す、すまなかった!……それで、教えて欲しい事があるんだが…」
「?……何でしょうか?(黒笑」
「なぜお粥を作っているんだい?」

マリアンは、これでもか…というくらい目を丸くしていて

「知らないのですか?
ユウが熱をだしたんですよ
それで今看病してるシンに持って行かせようと思ってお粥を作っていたんです」
「熱!?……そのお粥、僕に持って行かせてくれ」
「いいですが……エミリオ様が持って行かなくても………あら?」

僕はすぐさまお粥を持ち、食堂を後にした

「……〈…人の話は最後まで聞きなさいと、いつも言っているのにねぇ……〉」

食堂から負のオーラが流れ出て来たことは
この際気にしないでおこう


〜ヒューゴ邸・廊下〜

「はぁ……」

僕とした事が…あのプリンはシンがユウのために買ってきたものだったんだな…
……もしかしたら…


〜〜〜〜

「ユウ、もう少し食べないと元気にならないぞ?」
「じゃあ、『アーン』ってして?」
「ばっ、か…………一口だけだからな?」
「うん」
「ほら、アーン………」

〜〜〜〜

なんていうことに……
くっ…ゼ○、僕はどうすればいい!?
(坊っちゃんが違う世界の人に……、byシャルティエ)

ふっ……どうすればいいかなんて決まっているさ
すべてが間違っているのなら……僕は…

自分を信じて戦う!!
(戦うって……戦うものじゃないでしょうに、byシャルティエ)

「…よし、着いた」


‐ヒューゴ邸・ユウの部屋‐

【コンコン】

乾いた音部屋に響く

「シン?…入りなよ」

【ガチャ】
「!?…リオンっ!?何で?」
「…お粥を…持ってきただけだ」
「そっか……(わざわざ私のために持ってきてくれたのかな?)」
「……(やはりシンに持ってきてほしかったのだろうか?)」

テーブルの上にお粥を置く時に、スプーンが添えられたプリンがあった

「…プリン……」
「えっ?…あっ、プリン?
…リオン、食べたいの?」
「そっ、そういうわけじゃない…」
「いいよ、リオンにあげるよ」
「それじゃお前に悪い!」
「私は………熱下がったら食べに行くから、ね」

しばしの問答の後、結局僕が折れる事になる

「……そうか……」
「うん、だから…食べていいよ?」

ニッコリ小首をかしげる姿と
若干赤みがかった頬

「っ…」

これは…文法的に間違ってはいないが…『私を食べていいよ?』って言っているような…
(坊っちゃん、変態になってますよ!byシャルティエ

「リオン?」

僕は無言でベッドの隣の椅子に座る
もちろん、プリンとスプーンを持って

「えっ?」

スプーンでプリンを掬ってユウの顔の前までもっていく……

「お前のためのプリンだからな……僕が1人で食べるのは忍びない…」
「そう…なの?」
「ああ、だから一口か二口は食べろ」
「うっ……うん」

【パクッ】
「美味しい……」

溶けるような笑みを
目の前で見てた僕が見逃すわけがなく……


「っ〜〜〜!…

やっ…やはり可愛いな………

「あっ、二口目だな……ほら……」
「やっぱり美味しい…」
「そうか………ああ、お粥は?」
「うん、食べるよ……」

お粥の乗ったトレイごと、ユウに渡してやる

「ありがとう……なんか、今日のリオン優しいね」
「ぼ…僕だって、優しい時ぐらいはあるさ……」
「あはは、照れなくてもいいのに〜」
「別に照れてなんて…まぁいい」

そう言って、僕もプリンを食べる

「ん……悪くはないな…」
「あっ………」
「…どうした?」
「なっ、何でもないっ」
「…?……」

(そ、それは……間接キスになるんじゃないかな…?)

「?…変な奴だな…」
《坊っちゃんって、意外と鈍感ですよね〜》

後日……仲良く歩いてプリンを食べに行く姿を見て、2人が付き合ってるという噂がたった事は言うまでもない…


‐完‐

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