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君僕。
やさしい温度(悠+祐)
放課後。赤く染まった教室で、一人夕日を見ていた。
今日はアニメの再放送もないし、もう、コンビニへ行ってシールを集める必要もなくなった。
机に腕を組んで顔を伏せる。
瞼の裏は夕日で赤くて、浮かんだのは跳ねた後ろ髪。











ふうわりと、意識が浮上していく。

(寝てた…)

陽は既に水平線の向こうへ消えようとしていた。
三十分ほどは、眠っていたらしい。
ふと、顔を上げないままでいた頭に、誰かの手が乗せられているのが分かった。
温かくやさしく頭を撫でる手は、ゆっくりと同じ動作を繰り返す。

「…悠太」

問い、ではなかった。そうだと確信していたから。
彼も、さして驚きはしなかった。

「起きた?」
「うん」

そう、と言って、悠太はまた手を動かし始めた。
さらさらと髪が流れる。
温かな手はどこまでも優しくて、涙が出そうだった。

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