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月日は過ぎ行き、オレが上忍となる頃、一期下の彼らと班員は皆中忍となっていた。あれから、もう三年が過ぎようとしている。オレは、もうサスケの姿を探すのを止めていた。木々を駆け抜け、敵を追う。敵は牢から脱獄した罪人。出来れば殺さずに、やむを得なければ殺してでも連れ戻せと言われている。もう大分遠くまで逃げて来たが、さすがは敵も一介の忍。疲労の色は見えない。これ以上逃げられては厄介と、一気に距離を詰めようと一瞬隙が出来た。そこをヤツは見逃さず、素早く背後に回り込まれ、まずいとクナイを構える。否、構えた筈だった。手首にワイヤーが絡まるのを感じた直後、地面へ叩き付けられる。痛みに顔を歪めながらも必死に顔を上げて、驚愕する。そこには、十人程の男が立っていた。まさかとは思ったが、後ろで高笑いする罪人に確信した。これは計画的な脱獄だったのだと。しかし、逃がす訳にはいかない。チャクラを放出して、ワイヤーを断ち切る。素早く身を翻して空掌を打ち込もうとしたが、身体に力が入らなかった。首元に気配を感じて目を動かすと、例の罪人がオレの首に注射を打っていた。痛みを感じない所を見ると、痺れ薬か何かだろ
う。ああ、何という失態だ。








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