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今日は離れてあげない


朝、目が覚めるとなんとなくロビンに違和感を感じた。
でもロビンは普通にしていたから何も聞かない事にした。


昼、明らかに様子がおかしい。
息遣いが荒くてすごくだるそうだった。

触れるのを嫌がる彼女の言葉を無視して、頬に手を当てるとすごく熱い。
目もとろんとしてる。


そしてロビンはその場で倒れてしまった。

近くにいたサンジ君にロビンを運ばせて、急いでチョッパーを呼びに行く。
最初は騒いでたけど、さすが船医なだけあって、テキパキと診察をしてくれた。



どうやらただの風邪みたい。
朝の違和感はこれだったのね。

あたしはチョッパーの指示を聞いてずっと看病をした。
楽な服に着替えさせたり、氷のうを代えてあげたり。

なるべくずっと傍にいてあげた。
ったく、このバカは…。


代えの水枕を取りに行って、部屋に戻るとロビンは目を覚ましていた。

「よかった、目が覚めたんだ」
「なみ…」

力なくあたしの名前を呼ぶ彼女の声はかすれていて。
ロビンのおでこに掌をあてる。
うん、熱は少しひいたかな。


「ちょっとだけ体動かせる?」
「ん……」


ロビンはゆっくり上半身を起こす。
チョッパーが作ってくれた薬を飲ませて、持ってきた新しい水枕を代えてあげる。
再び寝かせると、冷たい感触が気持ちいいみたい。

熱で赤く染まる彼女の頬をそっと撫でる。
そしてむにっと少し強めにつねった。


「全く、あんたはもう」
「…ごめんなさい」
「それは何に対して?風邪を黙ってた事?それとも看病させた事?」


ロビンは少しだけ目を見開いた。
なんでわかったのって?
好きな人のことぐらいわかるわよ。

「そのくらいちゃんと言いなさいよっ」
「でも…」
「でも、じゃない!」

ビシッとデコピンしてやったら、眉をしかめて少し睨まれた。

言わなかったあんたが悪い。
結構ショックだったんだから。
寂しかったしさ。


…でもね。


「…知ってるわよ。あんたが甘えるのが苦手な事も」
「なみ…」

今まで一人で生きてきたロビンにとって、甘えるという事がわからないんだと思う。


「でも、風邪をひいたあんたの傍にいる事ぐらい、あたしにだって出来るんだよ?」

布団から少し出ていた彼女の手をそっと握り、指を絡めぎゅっと握る。
ロビンは黙ったままあたしを見つめる。

「だから、ちょっとずつでいいから甘えてよ。全部全部受け止めるから」
「…えぇ、ありがとう、ナミ」


絡めた指を弱弱しく握り返し、泣きそうな顔で優しく微笑むロビン。
その表情はとても可愛くて愛おしかった。
無性にキスしたくなって顔を近づけたら、だめよって人差指を唇に当てられた。

けちんぼめ。


「風邪がうつっちゃうわ」
「ロビンのだったらうつりたい」
「ナミのばか…」

馬鹿とはなんですか、馬鹿とは。
そんな可愛い顔して言われても、誘ってるようにしか見えません。
まぁ、さすがに今は我慢するけどね。


ロビンにあまり触れられないのは寂しいけど。

「そんな顔しなくても、治ったらちゃんと可愛がってあげるわ」
「な、何の話ですかオネエサマ?」
「ふふっ、さぁ?」

風邪ひいてるくせに何その余裕な笑顔。
ちょームカつくっ。


「い、いーから寝ろ!そして早く治せばかっ!」
「ふふ、そうね。少し寝るわ…おやすみなさい」
「ん、おやすみロビン」

握っていた手をそっと離して布団の中に入れた。
前髪らへんを撫でてあげると、すぐに規則正しい寝息が聞こえてくる。


早く治りますように、とおでこにそっとキスを落とした。

甘えるのが苦手な、不器用なお姉さん。
今日は離れてあげないから。
あんたが治るまでずっといてあげる。

治った時はいっぱいいっぱいキスしようね。

だから今は安心しておやすみ。





**********
お題第三段!
べたべたに風邪ネタ。
ベタなネタだと他のサイト様とかぶってそうで怖いです(ビクビク)
そして、どんどんお題に逸れてますね(笑)

ナミロビ9割、ロビナミ1割という。←
ロビン姉さんを弱らすとどうしてもナミロビになってしまいますね。
そろそろロビナミが書きたい。

2010.06.17



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