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髪結び


空を見上げるとかんかん照りの太陽。

本日の天気は快晴。
ジリジリと体が焼かれるような暑さだ。

こんな炎天下の中、本を読んでいる自分は馬鹿だと思う。


脱水症状にならないように、サンジがお手製の特別ドリンクを口に運ぶ。
さっき持ってきてもらったのにも関わらず、氷は溶けてぬるくなっていた。
それでも味は美味しいのは彼の実力なのだろう。


それにしても暑い。
こんないい天気だから外で読みたかったけれど、あまりにも暑いので仕方なく部屋で読むことにした。



「う……」

それでも暑いのは変わらなかった。
外よりはマシだけれど、室内は蒸し暑くサウナ状態だ。

今度フランキーに扇風機でも作ってもらおうかしら。
このままじゃ本当に倒れてしまう。
はぁっとため息が出た。


ふとドレッサーの方へ視線を落とすと、ヘアゴムが置いてあった。

少しくらいなら涼しくなるでしょう。
後ろ髪を一本束ねて、黒いシンプルなヘアゴムで結ぶ。


ポニーテールなんて久しぶりにしたかもしれない。

髪で隠れていた首が空気に触れて涼しい。
今はこれで我慢しよう。

私はソファーに座り、また本を読みはじめた。



ガチャッと開く音がして扉へ顔を向ける。

「あ、なんだここにい・・・」


開けた主はナミちゃん。
何故か私を見た途端、一瞬目を見開いてそのまま俯いてしまった。

「どうしたのナミちゃん?」
「・・・・・・か」
「か?」

少しだけ体が震えている。
心配になり立とうとした瞬間。


「かわいいーーー!!」
「え?きゃ・・・」

いきなり大声をだし、思いきり抱きつかれた。
少し苦しいわ。
というか暑い。


「可愛い可愛い!ちょー可愛い!」
「ちょっとナミちゃ、落ち着いて」
「何?どうしたの?ねぇねぇ!」
「なんの話かしら?」
「髪!!」
「髪?」
「そう!ホント可愛い!」


体を少し離してニコニコしながら、私の後ろ髪を細い指で弄りはじめる。

どうやらこの髪型が気に入ったらしい。

可愛い可愛いと連呼され、ポニーテールにしている事がものすごく恥ずかしくなる。

今すぐ解いてしまいたいけれど、彼女がそれを許さないでしょうね。

ただ結んでいるだけなのに、何がそんなにいいのか私にはわからない。

わからないけれど・・・。


「そんなにこの髪型が気に入ったの?」
「うん、すごく可愛いよ!」


嬉しそうにそう言って、彼女は髪を一束口元にもっていき、ちゅっと軽くキスをした。

髪に神経など通っているはずがないのに、そこから唇の感触がしたような気がして自然と顔に熱が集まる。


「ま、ロビン限定だけどね」


今度は唇にキスをされた。



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8月の拍手お礼小説でした。
拍手では初のナミロビ。
SWのロビン姉さんがあまりにも「歩く萌え要素」だったので突発的に書いたものです(笑)
ポニテ可愛い!

2010.08.01



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