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想う数だけ聞こえる音色


貴女と私の奏でるメロディーは。
どんな音色をしてるのかしら。


一つのベッドで向かい合わせに座る私達。
手で柔らかな頬を撫でると、少しくすぐったそうに笑う。
そんな仕草も可愛くて。


「ねぇ、ナミ」
「なに?」
「好きよ」


好き。
たった一言で私の鼓動は高鳴る。


どくん。
どくん。
どくん。


何度も言っている筈なのに、全然言い慣れなくて。
口にする度、少し照れてしまう。


「なんで照れてるのよ」
「ふふっ」




ナミこそ顔を真っ赤にしてるくせに。
素直じゃないトコロも可愛いのだけれど。


「おいで」


両手を左右に広げると、少し戸惑いつつもぎゅっと抱きついてきた。


少し速い、彼女の高鳴る鼓動を感じる。


どくん。
どくん。
どくん。

とても心地いい音。


彼女の体をもっと引き寄せて、胸と胸をぴったりと合わせる。


「なにやってるの?ロビン」
「ナミは聞こえる?この音色」
「音色?」


目を閉じれば、一定のリズムで奏でる私の音色と彼女の音色が合わさる。


どくん。
どくん。
どくん。


少し速めだけれど、リズムはぴったり。
お互いを想う数だけ聞こえるメロディー。



例えるなら、そう。
ドルチェのような。

優しく、甘く、柔らかい音色。


「うん、聞こえるよ。一つになったみたいだね」
「そう、ね」


本当に、このまま一つになれたら、どんなにいいだろう。
マーブル状に混ざり合って、永遠に繋がっていたい。

そうすればお互いがお互いだけのモノになるのに。


なんて、叶うはずもない事を考えてしまう。

それならばせめて。




そっと体を離して、ゆっくり彼女の体を押し倒す。


「ん…ロビン」
「…ナミ、好きよ」
「あたしも、好きだよ」




せめて、今は私の為だけに歌って。
私の為だけに聞かせて。
貴女の甘く、優しい音色を。

今夜はどんなメロディーを聞かせてくれるのかしら。



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恋したくなるお題様からお題を借りさせていただきました。

なんてフィーリングな話なんだ(笑)
ドルチェという言葉を使いたかっただけです←
美味しいですよね、あれ。

2010.07.01



あきゅろす。
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