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 もう二年近く一人だったから、二人の温もりに触れて家族が恋しくなったのだろうか。
 旅の仲間たちが、恋しく?
 自分のことなのによく分からない。

「シーク? エビ、嫌いだった?」

 フォークをサラダに刺したまま黙り込んだシークの顔を安里がのぞき込んでいた。

「え? 全然! 好き」

 慌ててフォークを口に運ぶ。

「具合でも悪いのか?」

 ジェスにまで心配そうな顔をされてブンブン首を振った。

「カザの奴に変なコトでもされたか? わざわざあんなとこ行かなくてもリィがカード置いてったろ」
「あの子かわいいもの好きだからねぇ」
「何にもされてませんよ?!」

 逸れていく話を慌てて否定する。

 何日か前、下のバーに立ち寄った。
 ジェスが帰らない夜で、安里と外食した後何気なく入った。
 外観の割に落ち着いた雰囲気の店で、味も悪くなくて。
 同じ建物だけあって安里たちと仲のいい経営者が、色々サービスしてくれるから結構飲み過ぎた。
 その経営者がカザ・メイス。
 鮮やかなブルーに染められた髪と、いたずらっぽい目が印象的な青年だった。



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